収益貢献度が高い顧客にリソースを集め受注率が8倍に
属人性の少ないスケーラビリティのある営業組織を目指すにあたり、経験が浅いメンバーの役割分担にも心を配る必要があった。そこで神田氏は未経験メンバーをインサイドセールスに任命し、顧客のセグメントに応じて担当部門を割り振ったのだ。
単価も利益率も高いTier1の顧客にはアカウントセールスが対応し、しっかりと関係を構築。Tier2の顧客にはインサイドセールスがチームであたるようにした。面談は組めるが案件へとつながらないTier3の顧客には人的リソースをかけず、Adobe Marketo Engageを通じたプッシュ施策で対応する戦略だ。この戦略によってどのような成果が得られたのか。
「チーム営業を重視し、1人の営業しか担当につかせてもらえない顧客をとにかく減らすよう意識しました。その結果、提案からの受注率がTier2以下と比較した場合に8倍高くなり、生産性を大幅に上げることができたのです」(神田氏)
マーケターは営業にとっての指揮者であり教育者たれ
神田氏は総括として、セールスDXの推進によって売上を伸ばすにあたり、マーケターが意識すべきポイントを3つ挙げる。1つ目は、営業の理解を得ることだ。「マーケターは営業の御用聞きではなく、営業のパフォーマンスを高めるための指揮者や、営業をマーケティング思考に育てる教育者として存在することが極めて重要」と神田氏。GLナビゲーションでは、マーケターによるアドバイスのおかげで営業がより高い数字を生み出せるようになったという。
2つ目のポイントは、インサイドセールスをマーケターと営業のブリッジとして育成することだ。神田氏は「マーケティング施策だけで売上を拡大するのは難しい」とした上で、第三者的な立場を設けることによってマーケターが営業の理解を得やすい状況をつくり、双方が合意した施策を打っていくことが重要だと述べる。
3つ目は、ナレッジを蓄積、浸透、進化させること。「マーケティング思考を持ったインサイドセールスが行動することでナレッジが蓄積される」と神田氏。ボトルネックから改善施策を考えて実行し、データドリブンに新たな実行計画を練っていく──この繰り返しでスケーラビリティのある営業組織をつくるという考えだ。
GLナビゲーションが活用するAdobe Marketo Engageでは、顧客が求める情報を最適なチャネルとタイミングで提供。神田氏は同ツールを中心とした組織に変革したことで、顧客体験を通してレベニュープロセスを加速させたのだ。フォレスターが行った調査によると、同ツールを導入・活用した企業のROI は267%になったという。
アドビのサイトでは、GLナビゲーションのほかにも多くの事例を紹介している。これらも参考に、営業とマーケが理解し合える仕組みづくりを検討してはいかがだろうか。
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