「CX」を軸にビジネスからカルチャーまで
MarkeZine編集部(以下、MZ):『XD MAGAZINE』『起業時代』それぞれのコンセプトや読者ターゲット、編集体制について教えてください。
川久保:XD MAGAZINEは「日常の価値を問い直すビジネス・カルチャーマガジン」というコンセプトで2021年5月に創刊した季刊誌です。母体となったのはオンラインメディア「XD(クロスディー)」。XDは、当社が提供する「KARTE」をWeb接客ツールからCXプラットフォームへとリブランディングするにあたり、当時の日本にはまだ少なかったCX関連の情報を訴求すべく、2018年3月に始めたメディアです。
川久保:XD MAGAZINEでは「学ぶ」「聞く」などの動詞を各号のテーマに設定し、ビジネスはもちろんのことカルチャーやエンターテインメントまで、様々な切り口でCXにまつわる記事を掲載している点が特徴です。これにより「プレイドがWebマーケティング領域のみならず、世の中のあらゆる領域にわたって“価値のある顧客体験づくり”を考えている」ということを伝えたい狙いもあります。
読者ターゲットは大きく3つを想定しています。我々自身がCXについて詳しくなければいけないので、1つは社内のメンバーです。2つめは、KARTEを利用していただいている「KARTE Friends」の方々。そして、2022年4月に発刊したVOL.04からは全国の書店にも卸すようになったので、カルチャーに興味を持つ感度が高くて好奇心の強い方々とも出会うことができたらと考えています。
編集業務には、私を含む社員3人と制作プロダクションBAKERUのメンバー3~4人に加え、リサーチャーの方々にも参加いただいています。編集会議では、各号のテーマに設定した動詞を切り口に、皆でアイデアを提案。たとえば「動く」をテーマにしたVOL.04では「動くことで顧客に価値をもたらすもの」という視点から、アニメの特集を組みました。
コンセプトは「誰もが起業できる時代に」
井口:起業時代では「起業・開業を考えている人が最初に購入する雑誌」を目指し、起業・開業の手順や必要な段取りをわかりやすく網羅的に紹介しています。当社のSaaS事業を推進するためにも、起業・開業のハードルを下げ、プレイヤーのボリュームを増やしていくことが重要だという考えです。
井口:今はまだ「起業=一部の特別な人たちがやること」だと思われている面もあります。そうではなくて、誰もが「生き方の選択肢のひとつ」として選べるものだということを伝え、普通の人が普通に起業できる時代にしていくことがこの雑誌のコンセプトです。起業は何歳からでも挑戦できるものなので、ターゲットの年齢・性別は問わず、幅広く設定しています。
起業時代の制作は、2つのチームで進めています。誌面の企画や取材・執筆は、編集長の私と起業や経営に精通した編集プロダクションによるチームが担当。社内のメンバーを中心に構成したチームでは、起業時代のブランドコミュニケーションを推進しています。私も後者のチームの一員となり、起業時代の販路拡大やプロモーションの方法など、事業として成り立たせるための戦略を考えています。