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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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『XD MAGAZINE』×『起業時代』 両誌編集長の対談を通じて紐解く紙メディアの価値とは

 2015年頃にブームとなったオウンドメディア。コンテンツ枯れやリソース確保の難しさもあり勢いは落ち着いたものの、今なおWebのオウンドメディアをマーケティングに活用する企業は多い。そんな中、プレイドは『XD(クロスディー) MAGAZINE』を、freeeは『起業時代』を、それぞれ紙の雑誌として発行している。なぜWebではなく紙媒体なのか。両誌編集長の対談から、オウンドメディアの新たな潮流を紐解いていく。

「CX」を軸にビジネスからカルチャーまで

MarkeZine編集部(以下、MZ):『XD MAGAZINE』『起業時代』それぞれのコンセプトや読者ターゲット、編集体制について教えてください。

川久保:XD MAGAZINEは「日常の価値を問い直すビジネス・カルチャーマガジン」というコンセプトで2021年5月に創刊した季刊誌です。母体となったのはオンラインメディア「XD(クロスディー)」。XDは、当社が提供する「KARTE」をWeb接客ツールからCXプラットフォームへとリブランディングするにあたり、当時の日本にはまだ少なかったCX関連の情報を訴求すべく、2018年3月に始めたメディアです。

『XD MAGAZINE』編集長の川久保岳彦氏
『XD MAGAZINE』編集長の川久保岳彦氏

川久保:XD MAGAZINEでは「学ぶ」「聞く」などの動詞を各号のテーマに設定し、ビジネスはもちろんのことカルチャーやエンターテインメントまで、様々な切り口でCXにまつわる記事を掲載している点が特徴です。これにより「プレイドがWebマーケティング領域のみならず、世の中のあらゆる領域にわたって“価値のある顧客体験づくり”を考えている」ということを伝えたい狙いもあります。

 読者ターゲットは大きく3つを想定しています。我々自身がCXについて詳しくなければいけないので、1つは社内のメンバーです。2つめは、KARTEを利用していただいている「KARTE Friends」の方々。そして、2022年4月に発刊したVOL.04からは全国の書店にも卸すようになったので、カルチャーに興味を持つ感度が高くて好奇心の強い方々とも出会うことができたらと考えています。

 編集業務には、私を含む社員3人と制作プロダクションBAKERUのメンバー3~4人に加え、リサーチャーの方々にも参加いただいています。編集会議では、各号のテーマに設定した動詞を切り口に、皆でアイデアを提案。たとえば「動く」をテーマにしたVOL.04では「動くことで顧客に価値をもたらすもの」という視点から、アニメの特集を組みました。

XD MAGAZINE VOL.04。アニメ特集では、アニメ評論家の藤津亮太氏に加え
声優の悠木碧氏などの著名人にインタビューしている【クリック/タップで拡大】

コンセプトは「誰もが起業できる時代に」

井口:起業時代では「起業・開業を考えている人が最初に購入する雑誌」を目指し、起業・開業の手順や必要な段取りをわかりやすく網羅的に紹介しています。当社のSaaS事業を推進するためにも、起業・開業のハードルを下げ、プレイヤーのボリュームを増やしていくことが重要だという考えです。

『起業時代』編集長の井口侑紀氏
『起業時代』編集長の井口侑紀氏

井口:今はまだ「起業=一部の特別な人たちがやること」だと思われている面もあります。そうではなくて、誰もが「生き方の選択肢のひとつ」として選べるものだということを伝え、普通の人が普通に起業できる時代にしていくことがこの雑誌のコンセプトです。起業は何歳からでも挑戦できるものなので、ターゲットの年齢・性別は問わず、幅広く設定しています。

 起業時代の制作は、2つのチームで進めています。誌面の企画や取材・執筆は、編集長の私と起業や経営に精通した編集プロダクションによるチームが担当。社内のメンバーを中心に構成したチームでは、起業時代のブランドコミュニケーションを推進しています。私も後者のチームの一員となり、起業時代の販路拡大やプロモーションの方法など、事業として成り立たせるための戦略を考えています。

起業時代Vol.2の一部。「起業へのハードルを下げる」という狙いのもと自分らしい生き方をして
輝いている経営者の話と、実務的な情報を適度なバランスで紹介している【クリック/タップで拡大】

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/39591

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