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90周年を迎えるレゴグループのデジタル戦略 子どもたちの体験をリッチにし、継続した遊びにつなげる

交流機会を創出しつつ、脅威から子どもを守る

MZ:レゴグループでは新商品のみならず、子ども向けのソーシャルメディアアプリを独自に開発し、ファンコミュニティも形成していると伺いました。

宮下:はい。当グループが運営する子ども用のソーシャルメディアアプリ「レゴ ライフ」は、世界で約3,300万ダウンロードされています(2022年3月時点)。このアプリでは、完成した自身のレゴ ブロック作品を写真に撮ってシェアしたり、絵文字やスタンプを投稿してユーザー同士で交流したりすることができます。

レゴ ライフの画面の一部

宮下:レゴ ライフの展開に関し、我々が特に注意を払っているのが「炎上・中傷リスクから子どもたちを守る」ということです。前述の調査でも、多くの子どもと保護者が「デジタルが遊びをリッチにしてくれている」と回答する一方で、インターネットの脅威に関しては特に保護者がシビアに捉えていることがわかっています。我々のミッションにもある通り、子どもたちの未来を守るため、レゴ ライフ運営の際には炎上や中傷などが発生しないよう様々なサポート機能を実装しています。

 具体的には、アカウント名を一律で自動生成する仕組みを搭載。実名は表示されません。アイコンはアバターのみのため顔写真の表示はなく、保護者の身分証明がなければ投稿やフリーテキストによるコメント投稿はできず、絵文字やスタンプなどしか使えない仕様となっています。さらに、運営側が24時間モニタリングを実施。投稿写真などは運営側が必ず目を通した上でアップロードされる仕組みです。

 ファン同士のコミュニケーションの促進はマーケティングの観点でも重要ですが、同じくらいに子どもたちを守ることにも強い意識を持って取り組んでいる点は、レゴグループの特徴です。

親の関わりも意識したマーケティング

MA:最後に、デジタルを活用したコミュニケーションに関し、レゴグループとしての展望を教えてください。

宮下:デジタルを活用したアプローチは今後も継続していきますが、やはり最も重要なことはレゴ ブロックを組み立てるワクワク感、そして「遊びながら学ぶ」体験をより多くの子どもたちに届けていくことだと思っています。そのゴールを目指す上で、よりリッチな体験を作り出すためにデジタルを導入するなど、環境の変化を踏まえた施策に注力していきたいと考えています。

吉田:我々のビジネスのベースは子どもたちに焦点を当てたものとなっていますが、ここ2年は「大人向けのレゴ ブロック」という切り口でのコミュニケーションも積極的に行っているんです。子どもたちは保護者から多大な影響を受けます。自分の作品を褒めてもらえたり、思い切り遊んでいる姿を見守ってもらえたりする“安心できる環境”が、レゴ ブロックでの遊びにより得られる学びをさらに強くしていくのです。だからこそ、保護者世代にも触れてもらうことで、結果的に子どもたちもレゴ ブロックでの遊びを心から楽しめる。こうした親から子供への「パイプ」を強める施策に取り組んでいく所存です。

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この記事の著者

宮田 浩平(編集部)(ミヤタ コウヘイ)

MarkeZine編集部。香川県出身。2016年に時事通信社入社、広島支社、岐阜支局で勤務。2019年から広告・マーケティングの専門メディアで編集者。主にPR・ブランディングやプロモーション領域の取材を担当。2022年5月から現職。企業のサステナブルやDE&Iを軸にした取り組みに興味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/08 09:00 https://markezine.jp/article/detail/39694

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