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ヒットの裏にマーケあり

【サウナ王・太田広後編】サウナの収益は温泉の2倍。さらに温浴施設の信頼がプラスアルファの収益を生む

サウナ人口を増やすための次なる一手とは?

高橋:全方位をターゲットにした施策に、日本一や日本初といった話題性、そして立地に合わせた使い分けなど、太田さんのコンサルティングは、手掛けた施設だけでなく、サウナ業界全体を盛り上げることにもつながっていると感じました。サウナ王として、業界のさらなる発展のために次はどのようなことをしていくのか、ぜひお聞きしたいです。

太田:ドラマ(「サ道」タナカカツキ原作の著作を2019年と2021年にテレビ東京がドラマ化)の影響もあって、テレビや雑誌からはサウナブームが来ているとして取り上げられる機会も増えています。しかし、実際、ブームと言えるのは関東圏だけで、他のエリアではまだそれほどの熱量にはなっていないんです。ですので、今は日本全国のサウナ人口を増やそうと、地道な活動をしているところです。

 その取り組みの一つとして、各地でサウナフェスを開催しています。ただ、ターゲットはサウナに行ったことがない、興味がないといった層なので、著名人のトークイベントなどをメインにして、その後みんなでサウナに入るといったように、ファンが喜ぶイベントの一つの催しとして実際に体感していただく内容になっています。

 おもしろいのが、後でデータを見ると、初めてサウナに入ったという方がたくさんいて、その内の2~3割の方はイベント後にもリピートしてくれているんです。

サウナは温浴施設に集客する大きな武器に

高橋:軸をずらした集客をすることで、潜在層がサウナに入るきっかけを作っているんですね。まさに、サウナ人口を顕著に増やす取り組みですね。

太田:商圏人口の少ない地方などは特に、サウナが好きという人を増やすところから始める必要があるんです。なぜなら、サウナが好きな方は、入浴後に飲食を楽しんだり、マッサージもしたりと、温泉好きな方より客単価が2倍近く高いからです。同じ100人の来客でも売上が2倍になるんですから、サウナは温浴施設にとって強力な武器なんですよ。

 それに何より、サウナは健康と美容にとてもいい。私は今55歳なのですが、血管年齢は20歳以上若いと医者に言われました。30年以上サウナに入っていた私が実証済みです(笑)。また、フィンランドの大学が、サウナは認知症の予防になるとの研究結果も発表しています。いいことずくめだからこそ、全国にサウナを広めていきたいですね。

高橋:韓国では女性にも人気ですから、まだまだ伸びる業界だと私も思います。男性は「ととのう」快感を求めに、女性は健康美容でということでサウナ人口は太田さんの戦略もあってどんどん増えていくイメージがわいています。

 私も10度以下の水風呂を楽しめるよう、これから「サ道」を極めていきたいと思います。

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この記事の著者

高橋 飛翔(タカハシ ヒショウ)

 1985年生まれ。東京大学法学部卒。大学在学中にナイルを創業。

 ナイルにて、累計1,500社以上の法人支援実績を持つデジタルマーケティング支援事業や自社メディア事業を発足し「ナイルのマーケティング相談室」「ナイルのコンテンツ相談室」などを運営。2018年より新規事業として月10,000円台でマイカーが持てる「おトクにマイカー 定額カルモくん」をローンチ。自動車産業における新たな事業モデルの構築に取り組んでいる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/08/31 07:30 https://markezine.jp/article/detail/39799

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