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アクションにつながる「CxOレター」の秘訣を解説!データでわかる、開封率を高める「外側」の工夫とは

「手書き宛名」は「印刷宛名」の2倍のアクションを促す

MZ:どのようなテストを実施されたのでしょうか?

髙橋:今回は、「封筒」や「切手」といった手紙の外見部分を変えることで数字がどう変わるかを見るテストをしました。条件としたのは宛名書き、封筒サイズ、封筒デザイン、切手の4つです。

 今回はテストの精度を高めるため、Webサービス/アプリやWebマーケティングを行う30から300名規模の企業様にセグメントを絞って、発送タイミングも統一して実施しました。また、前述の通り手紙は開封したかどうかを計測するのは不可能です。そのため、個人情報の入力なしでダウンロードできる資料QRを封入しておき、そのダウンロード数でリアクション率を計測しています。

MZ:まず、宛名書きの項目の結果はいかがでしたか。

髙橋:宛名書きは「手書き」と「手書き風印刷」「一般的なフォント(游明朝体)での印刷」の3種類で、テストを実施しました。

 結果は想像に難くないところですが「手書き」が最も数字が良く、「手書き風印刷」の1.5倍、「一般的なフォント(游明朝体)での印刷」と比べると2倍以上高いアクション率となりました。開封後の資料ダウンロード数で2倍の差が出るということは、おそらく開封率で見るともう少し大きな差が出ているのではないかと考えています。

宛名書きのイメージ(左から手書き、手書き風印刷、一般的なフォントでの印刷)
宛名書きのイメージ(左から手書き、手書き風印刷、一般的なフォントでの印刷)

CxOに届きやすい手紙の共通点とは?

MZ:次に、切手の項目の結果についてご説明いただければと思います。

髙橋:切手は「手貼り」と「後納郵便」の2パターンで実施しました。一般的に販売されている切手を人の手で一つずつ貼ったものと郵便局のスタンプのみとでは、見た目としてはかなり違います。テスト結果としても、手貼りが2倍以上のアクション率となりました。

切手のイメージ(左から手貼り、後納郵便)
切手のイメージ(左から手貼り、後納郵便)

MZ:なぜこのような結果になったのか、髙橋さんのこれまでのご経験に基づく見解や分析も併せてご教示ください。

髙橋:企業の代表取締役や役員宛に手紙を送ると、会社の総務部や秘書の手元にまず届きます。この秘書の対応が数字に表れやすくなっているわけです。代表者宛の手紙や郵便物はすべて渡す方もいれば、中身を確認して必要そうなものを選り分ける方もいて、後者の理由から秘書のところで手紙がストップする企業が多いです。

 よって、秘書から宛先の方に渡していただく確率を上げるための工夫が、施策の成功率に大きく影響するポイントです。今回の宛名書きや切手という観点で見ると、手書きや手貼り切手はビジネス文書ではあまり見かけない形式です。そのため、より個人的な文書だという印象を与え、秘書が開封したり勝手に捨ててしまったりしづらくなります。ですから秘書でストップせずに、そのまま宛先の方まで届きやすかったのではないかと思います。

MZ:残りの2項目(封筒サイズ・封筒デザイン)については、まだ統計的に有意な差は見られていないとのことでした。これらの結果については、どう見られていますか。

髙橋:封筒サイズは、「長3」と「長4」でテストをしましたがほぼ差分が出ず、今後継続しても差は出ないと考えています。

 封筒デザインは、「縦書き和紙」「横書き白」「横書き黄色」の3パターンでテストを実施しました。まだ十分な有意性の検証はできていないのですが、実測値としては一番数字が高い「横書き黄色」と一番低い「縦書き和紙」では約1%の差分が出ています。こちらは数を増やすことで、より正確な数字が出てくると思います。

 
封筒デザインのイメージ(左:縦書き和紙、右上:横書き白、右下:横書き黄色)
封筒デザインのイメージ(左:縦書き和紙、右上:横書き白、右下:横書き黄色)

髙橋:これも宛名書きや切手と同じように、横書きだと何かの招待状のように見えるため、秘書からそのまま渡していただきやすいのだろうと考えられます。

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当たり前だけど、実は差別化になる!「ドキュメントとしての完成度」

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/40034

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