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特集:すごいBtoB企業がやっていること

Salesforceがイベント企画で大事にしている5つのこと

 BtoBマーケターにとって、イベント、セミナー、ウェビナーは非常に重要なチャネルと言える。本記事では、Salesforce World Tour TokyoやDreamforceなどの大規模イベントからクローズドなセミナーの開催、第三者イベントへの協賛まで、各種イベントに関する圧倒的な経験・ノウハウを持つSalesforceのデマンドジェネレーションを統括するカルデラ久美子氏に、イベント企画・集客のポイントを聞いた。

※本記事は、2022年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』81号に掲載したものです。

戦略があって初めてイベントは機能する

——まず、御社にとってイベントがどのような位置付けになっているのか教えてください。

株式会社セールスフォース・ジャパン マーケティング本部デマンドジェネレーショングループ キャンペーン統括部長 カルデラ久美子(かるでら・くみこ)氏 BtoB領域におけるマーケティング戦略立案・実行を主とし、製造、半導体、IT、化学などさまざまな業種の大手外資系企業に所属した後、2017年Salesforce入社。大手から中小企業、業種別アプローチなどあらゆるキャンペーンモデル生成と販売パイプラインの醸成をミッションとしたセグメントマーケティングチームを牽引。Salesforceのベストプラクティス“TheModel”を体現し、営業、マーケティング面での組織体系化による顧客発掘のKPIを担う。
株式会社セールスフォース・ジャパン マーケティング本部デマンドジェネレーショングループ
キャンペーン統括部長 カルデラ久美子(かるでら・くみこ)氏

BtoB領域におけるマーケティング戦略立案・実行を主とし、製造、半導体、IT、化学などさまざまな業種の大手外資系企業に所属した後、2017年Salesforce入社。大手から中小企業、業種別アプローチなどあらゆるキャンペーンモデル生成と販売パイプラインの醸成をミッションとしたセグメントマーケティングチームを牽引。Salesforceのベストプラクティス“TheModel”を体現し、営業、マーケティング面での組織体系化による顧客発掘のKPIを担う。

 イベントはデマンドジェネレーションの戦略を遂行するために欠かせない施策の1つと捉えています。弊社の顧客は大手企業から中小・スタートアップ企業まで様々な規模で、業種も幅広いです。そのため、Salesforce World Tour TokyoやDreamforceといった大型のイベントから、ハンズオンでツールの使い方を理解いただくクローズドなセミナーもの、また体系的に課題やソリューションを見出すためのワークショップまで、様々なイベントを実施しています。

——御社はどのようにデマンドジェネレーションの戦略を立案しているのでしょうか。

 Salesforceでは、「経営・事業戦略」「GTM(GoToMarket)戦略設計」「キャンペーン設計」「キャンペーン実施」の4つのフェーズでデマンドジェネレーション戦略を立てて、キャンペーンを実行しています。

 経営・事業戦略では、市場動向分析、経営・事業戦略、製品戦略、商談・売上などを考慮し計画を立て、四半期単位で振り返るサイクルを回しています。事業部やアプローチしたいセグメント・業種によって経営・事業戦略は異なります。また、製品によっても戦略は違うので、それらの戦略を参照しながらどれだけの売上・商談を創出しなければならないのかを算出します。

 その後、デマンドジェネレーション戦略を設計しますが、ここで一番重要なのは目的と目標を明確にすることです。その上でセグメント、ターゲット、ポジショニングをSTP分析で見出し、その方たちに伝わるメッセージを考えます。

 昨今お客様はメールを沢山受信され、ウェビナーも数多く開かれている中で当社のイベントに目を留めてもらうには、ターゲットに合わせてお客様の共感や態度変容を引き出せるメッセージを準備する必要があります。訴求力のあるメッセージや解決したい課題がお客様の目に留まってこそ、初めてコンテンツやオファーを見ていただけて、最終的にリード獲得や商談、売上につながっていきます。

 これらの戦略を固めた上でキャンペーン設計を行い、メールやSNS広告、イベントなど様々な手段から最適なものを選択しています。

ファネル別にイベントの種類を分けて開催

——先ほど大規模なイベントから小規模なセミナーまで様々なものを開催しているとお話しいただきました。また、御社はMarkeZineが開催しているイベントMarkeZineDayなど第三者イベントにも協賛していますが、どのように使い分けているのでしょうか。

 どのようなイベントを開催するか、また第三者イベントに協賛するかは、認知拡大から導入までのファネルにおける、どの部分に狙っているお客様がいるのかを考えた上で決めています。たとえば、製品の認知を広めたい、認知が低い業種にアプローチしたいのであれば、ターゲットの多く集まる第三者イベントに協賛して新たにリードを獲得します。

 検討フェーズのお客様にアプローチするためには、よりSalesforce製品の魅力や活用イメージを持っていただくために、コーポレートイベントやウェビナーを通じて検討がよりスムーズに進むコンテンツを提供する必要があります。

 そして、稟議が通らない、導入決定に至らないお客様がいるのであれば、決裁権を持つ高役職者向けに完全招待制セミナーや個社向けセミナーを開き、製品の良さやツール導入による価値やもたらされるROIを理解いただく機会を設けています。

 このように、ファネルに合わせてイベント規模の大小や種類を選定しています。KPIもそれぞれのイベントで変えています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/09/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/40078

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