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MarkeZine Day 2022 Autumn(AD)

インスタ運用の鍵は目標設定とデータに基づく日々の改善、フォロワー数150%達成した大丸・松坂屋の事例

 Instagramを多くの企業が活用する一方、他社のいいね数が見えず好例がわからない、KPIの測定が難しい、投稿に一生懸命になり改善ができないなどの課題がある。2022年9月に開催されたMarkeZine Day 2022 Autumnでは、ユーザーローカルのSNS運用・分析ツールを活用し成果を出している大丸松坂屋百貨店が取り組みを紹介した。

キャンペーン実施を目的にしない

 SNSを活用したキャンペーンを検討する企業は多い。通常のSNS運用・分析からキャンペーンの運用・分析まで一元管理できるツール「ソーシャルインサイト」を提供するユーザーローカルの嶋田はキャンペーン設計時に考えるポイントとして、次の3点を挙げる。

  1. 誰を意識してキャンペーンを実施するか
  2. 何をプレゼントするか
  3. どのキャンペーンを選ぶか

 「誰」は大きく、新規フォロワー獲得か、既存フォロワーのエンゲージメント向上にわけられる。その目的に応じてプレゼントやキャンペーン形式が決まってくる。

 「大切なのはキャンペーンを実施することを目的にするのではなく、目的を意識してプレゼント、キャンペーンの形式を選択していくことです」(嶋田氏)

株式会社ユーザーローカル コーポレートセールス カスタマーサクセスチーム シニアリーダー 嶋田 彩野氏
株式会社ユーザーローカル コーポレートセールス カスタマーサクセスチーム シニアリーダー 嶋田 彩野氏

 キャンペーンにとどまらず、SNSの運用においては何を目的に・誰に対して・どのような投稿を行うか、が重要だろう。ここからはソーシャルインサイトの分析機能を活用して成果を出している大丸松坂屋百貨店の取り組みを紹介する。

会話の「輪に入れてもらう」SNS戦略

 全国15店舗を展開する大丸松坂屋百貨店。大丸は1717年、松坂屋は1611年創業の老舗百貨店で、ソーシャルメディア運用はどのように行われているのか?

 「『大丸・松坂屋』というソーシャルメディアアカウントはどれですか? とご質問をいただくことがあります。しかし、実はございません」そう話すのは、同社全社のデジタル広告、SNSなどデジタルメディアの活性化および運用管理を担当する西本祥子氏だ。

株式会社大丸松坂屋百貨店 本社営業本部 営業企画部 販売促進・インバウンド担当 マネージャー 西本 祥子氏
株式会社大丸松坂屋百貨店 本社営業本部 営業企画部 販売促進・インバウンド担当 マネージャー 西本 祥子氏

 「なぜなら、ソーシャルメディアはコミュニケーションの場だと考えているからです」(西本氏)

 同じ場所で人々が集まって語り合っている場所からこそ、一方的に企業が情報発信をするのではなく、盛り上がっている輪に入れてもらう必要がある。たとえば「カフェ」の話題で盛り上がっている輪があったとしよう。そこに話題とは関係なく「大丸・松坂屋」として入り込んでも、興味を持ってもらえない。しかし「梅田のカフェ」で盛り上がっている場所であれば、「大丸梅田店」として「梅田店のおすすめのカフェはこちらです」と入っていける。

 そのため同社では、輪に入れてもらいやすく、かつ来店に結びつくように各店舗による情報発信に注力。店ごとにSNSアカウントを作成し、運用している。

「投稿の成果が見えにくい」課題

 「結果として合計100以上のアカウントを運用している状態になり、たくさんの課題が生まれてきました」(西本氏)

 そこで西本氏は、これらの課題を「守り」と「攻め」に分類し、2021年3月に全社的にソーシャルメディアの利用方針を策定した。

守りと攻めの指針
守りと攻めの指針

 守りは主にコンプライアンスリスクへの課題と対応だ。リスクへの理解を促進し、組織的な体制を策定した。攻めは成果の数値化とPDCA体制だ。ソーシャルメディアのKPIを理解し、PDCAを回す体制の制定を目指した。

 ここでもう一つ、ソーシャルメディアならではの課題が出てきた。それが、KPIの観測がしにくいことだ。全店の中で最もInstagramを活用する札幌店では、レポートの作成に半日以上かかっていたという。

 「レポートに時間がかかると、投稿の成果が見えにくくなり、社内外で何をやっているのかわからないとレピュテーションも向上しません。そのため、コンテンツの質も上がらないという悪循環に陥っていました」(西本氏)

次のページ
攻めの武器としてソーシャルインサイト導入

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この記事の著者

中村 祐介(ナカムラ ユウスケ)

 株式会社エヌプラス代表取締役

 デジタル領域のビジネス開発とコミュニケーションプランニング、コンサルテーション、メディア開発が専門。クライアントはグローバル企業から自治体まで多岐にわたる。IoTも含むデジタルトランスフォーメーション(DX)分野、スマートシティ関連に詳しい。企業の人事研修などの開発・実...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/13 10:30 https://markezine.jp/article/detail/40113

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