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イベントレポート

完全撤退から3年「FOREVER21」が日本再上陸!パートナー企業のアダストリアが描く戦略とは

メインターゲットは10代後半~30代の女性

 野田氏はまずFOREVER21のブランドテーマを発表。「Wear No Filter」という言葉に込めたメッセージを次のように解説する。

アダストリア クリエイティブディレクター 野田源太郎氏
アダストリア クリエイティブディレクター 野田源太郎氏

「2017年に『インスタ映え』が流行語大賞を受賞し、多くのユーザーや企業が投稿において“映え”を追求するようになりました。その結果、加工された画像が増加。若年層を中心に、盛り過ぎた画像やカメラ目線の自撮り写真をネガティブに受け止める『インスタ萎え』へと意識変化が起こったのです。加工から解き放たれ、ありのままの現実を良しとする現代的な価値観へのリスペクトと共鳴を表現するために『Wear No Filter』という言葉を選びました」(野田氏)

 新生FOREVER21では「トレンドとハイクオリティをモットーに掲げている」と野田氏。アダストリアが得意とするファッション性と高品質なものづくり、手ごろな価格帯を踏まえてポジショニングを考えた結果、メインターゲットを「10代後半~30代前半の女性」に決定した。

「ファッションが好きで、毎日をワクワクさせたいと思っている流行に敏感な女性。また『自分自身で選択したい』という意思をお持ちの方に向けて、適切なファッションを届けていきたいと考えています」(野田氏)

 商品単価は4,000円、客単価は5,800円を想定。2023年春夏コレクションにおけるオリジナル商品と本国からの仕入れ商品の割合は8対2程度だという。「アダストリアが展開するブランドの主力メンバーでMDチームを構成し、約8割のオリジナル商品を開発していく」と野田氏は語る。

市場で負けないためにハイクオリティを重視

 かつてファストファッションブームをけん引したFOREVER21。新生FOREVER21では比較的高単価の商品を提供する理由はどこにあるのか。アダストリアの子会社Gate Winの小林千晃氏は次のように説明する。

Gate Win 取締役 小林千晃氏
Gate Win 取締役 小林千晃氏

「日本市場では素材のクオリティを一定の基準に保たなければ、日本の他ブランドに敵いません。そのため、価格帯や素材の選定においてアダストリアが定める基準を担保することが今回のポイントです。我々の得意な素材感、ジャンル、テイストを活かした商品展開になっていくと思います」(小林氏)

 EC化率6割を目指すにあたり「鍵を握るのは.st」と木村氏。FOREVER21が元々持っている認知度に加え、今の時代に合った商品を1,400万の会員に向けてアピールすることにより、販売量を上げていく狙いだ。

 アダストリアは2022年12月初旬にFOREVER21の展示会を開催し、2023年2月に.stで商品の販売を開始。2023年春に関東・関西の大型ショッピングセンターへの出店を計画しており、1号店はららぽーとにオープン予定とのこと。マーケティング施策を含め、今後のFOREVER21の動向に注目したい。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/10/06 09:00 https://markezine.jp/article/detail/40174

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