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MarkeZine Day 2025 Retail

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タピオカブームやコロナ禍を経て、出店数No.1のティーブランドに!ゴンチャ ジャパンのCX戦略に迫る

1to1アプローチと従業員体験がCX向上の鍵

──モバイルオーダーシステムの導入によって、どのような成果を実感されていますか。

 2022年3月にモバイルオーダーを導入してから、ユーザー数は6ヵ月で約15万人まで増加。ゴンチャ全体のお客様が約150万人なので、約1割のお客様とつながっている状態です。これまで長い列に並んでくださっていたお客様からすると、モバイルオーダーによって並ばずに購入できるうえ、新商品の情報などをスムーズに得ることができるため、CXの向上にも貢献しています。

──CX向上という難題へ取り組むにあたり、越智さんが意識されていることを教えてください。

 1to1でつながっていることを、うまく利用することです。お客様とのつながりを持てている場合、たとえば3ヵ月間来店されていないお客様に対象を絞ってクーポンを差し上げることもできますよね。SNSなどで不特定多数にクーポンをばらまくのではなく、LINEを通じて「あなただけに」差し上げるアプローチを大事にしています。

 EX(従業員体験)も重視しているポイントの1つです。デジタル施策だけでなく、クルーたちの接客がCXの向上に大きな影響力を持つことは、各調査からもわかっています。3,000名以上いるアルバイトクルーのうち半数近くは大学生なので、毎年3月に卒業してしまいます。しかしながら、辞めたクルーはその後もずっとゴンチャのお客様、それもコアなファンでいてくださるわけです。彼らとつながり、卒業後もファンであり続けてもらうために、クルーのLINE IDと会員情報をシステム上で認証する取り組みも進めています。

DXと離脱原因の特定に注力していく

──クルーともつながることで、CXにどのような影響があるのでしょうか。

 認証後のイメージとして、卒業時に「長い間ゴンチャで働いてくれてありがとう」という感謝状を送ったり、夏場の繁忙期を乗り越えた後にねぎらいの言葉を添えてクーポンを進呈したりすることを考えています。クルーの満足度を上げることで、お客様の満足度も自然と上がるのではないでしょうか。

──さらなるCXの向上に向けて、今後取り組んでいきたいことをお話しください。

 中国に「HEYTEA(喜茶)」というティーブランドがあります。HEYTEAの店舗にはレジがありません。ユーザーが店舗に向かう途中で注文し、到着と同時に出来上がったドリンクを受け取るだけ。日本ではまだまだ現金を使うお客様が多いため、今すぐレジを廃止することは難しいかもしれませんが、私が目指したいのはHEYTEAのように全てスマホで完結する世界です。

 また、離脱原因の特定にも引き続き取り組んでいきます。年間来店比率20%増を目標に、クーポンを差し上げたお客様の来店頻度をトラッキングしつつ、様々な施策を試しているところです。どんなブランドにも一定数の離脱顧客は存在します。ゴンチャのモバイルオーダーを利用するお客様のうち、30%は3ヵ月以上足が遠のいています。「モバイルオーダーをしてくださったお客様が離脱しているのはなぜか」この原因を解明していきたいです。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/09 09:00 https://markezine.jp/article/detail/40363

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