フォロワー数よりも重視するものは、ブランドの世界観への共感度
MZ:FUJIMIのクリエイターマーケティングについて、まずはクリエイターのキャスティング方法から教えてください。
奥隅:キャスティングでは、FUJIMIの世界観に共感してくださるクリエイターであることを重視しています。実際に、美容分析やカラダ分析からFUJIMIを試していただき、良さを感じてくださった場合のみ正式なオファーをするという流れです。
MZ:具体的にはどのようなクリエイターに依頼されていますか。
奥隅:美容家やヨガのインストラクターをはじめ、イラストレーターや漫画家、料理研究家の方など幅広く依頼しています。フォロワー数の多さよりも、FUJIMIへの共感や世界観がマッチするクリエイターが中心です。また、普段からフォロワーとどのようなコミュニケーションを取っているか? や、どんなフォロワーから支持されているクリエイターなのか? なども参考にしています。
依頼先のクリエイターが決まったら、オファーを出す際にキャンペーン進行のマニュアルを共有し、クリエイティブのチェックがあることなども伝えています。クリエイターそれぞれの個性や世界観を生かした表現でクリエイティブを発信いただきつつも、投稿内容は丁寧に確認をします。間違った情報の発信を防ぎ、お客様だけでなくクリエイターやFUJIMIのブランドを守るためにも、重要なことだと考えています。
CPAが44%改善!通常広告の配信ターゲット層も拡大
MZ:実際にブランドコンテンツ広告を配信し、どのような成果が見られましたか。
岡本:今回は新規顧客獲得を目的に、FUJIMIの通常広告(A)と通常広告+ブランドコンテンツ広告(B)のA/Bテストを行いました。その結果、通常広告と比べてブランドコンテンツ広告を含む(B)のほうが、コンバージョン数が約2.1倍となりました。さらに、CPAは44%改善、CPMは28%削減しています。
ブランドリフト調査でも、広告想起が約1.5倍かつ利用意向が1.7倍、ブランドリフト単価(広告想起単価)が44%削減と、ブランドコンテンツ広告の効果が見られました。
奥隅:広告配信レポートを見ても、ブランドコンテンツ広告を含んだキャンペーンのほうが幅広い年代層に届いていました。クリエイターのフォロワーだけでなく、既存の広告配信層の幅を広げる効果もあると考えられます。
やはりブランド側の発信とクリエイター視点の発信は違いますし、情報の受け取られ方も異なります。様々なクリエイターが発信することでFUJIMIの魅力が多様化し、多くの方へ伝わることは嬉しいですね。
MZ:従来のインフルエンサーマーケティングとの違いは、どのようなところでしょうか。
希代:インフルエンサーマーケティングでは、フォロワーが多数いるメガインフルエンサーに単発で依頼するケースが多い傾向にありました。トリコさんの場合、複数のクリエイターと継続的にブランドコンテンツ広告を実施し、PDCAを回しながら効果の最適化を追求されている点がポイントです。また、クリエイターごとに多様なパターンのクリエイティブを配信されていることが効果につながっています。
奥隅:クリエイターがそれぞれの視点でFUJIMIの良さを継続的に伝えることでフォロワーとの関係性が高まり、商品を知るきっかけになっていると思いますね。アフィリエイトのように単発の施策ではなく、ブランドとフォロワーとの関係性を積み重ねるプロセスを追うことが重要です。