人とブランドの結びつきをテクノロジーで構築していく
Brazeは、2011年にBill Magnuson氏(現CEO)とJon Hyman氏(現CTO)が立ち上げた顧客エンゲージメントプラットフォーム。グローバルで1,500社以上が利用し、月間アクティブユーザー数は41億以上、2021年11月にはIPOも果たした。
顧客エンゲージメントの類のツールは多数存在するが、その中でBrazeの特徴を一言で表すと「人間らしさ」というキーワードが出てくる。10月12日に基調講演のステージに立ったMagnuson氏は、Brazeのビジョンを「テクノロジーを使って、人とブランドの結びつきを構築(forge)すること」と切り出し、コロナ禍を経て変化した人とブランドとのエンゲージメントについて次のように話した。
「Brazeのビジョンはまだ達成されていないが、コロナ禍で一気に進んだ。テクノロジーを使い、より高い頻度で、より効率良く、人とブランドが結びつくようになったという変化は、コロナ禍がもたらした明るい要素である」(Magnuson氏)
“心に響く”コミュニケーションをリアルタイムで
ツールとしてのBrazeの特徴を見ると、データをリアルタイムに取り込める点が挙げられる。それもそのはず、Magnuson氏とHyman氏は元々金融向けにハイフリークエンシーの株取引システムを構築しており、これをマーケティングに応用したことがBraze創業のきっかけとなっているのだ。この技術土台が、リアルタイム性と拡張性というBrazeの優位性につながっていると言える。
そして、リアルタイム性は顧客体験の最適化に不可欠なもの。対面なら微笑み、適切なタイミングで話しかけてコミュニケーションを進めていくことができるが、デジタルでは難しい。Magnuson氏は、「デジタルが台頭しても、レガシーのデータアーキテクチャとサイロ化されたシステムにより、顧客体験はバラバラだった」と課題を指摘する。タイムリーに適切なメッセージを送ることで、心に響くようなやり取りが実現し、マーケティングはより人間らしくなるのだ。
「“人間らしさ”という視点から考えると、1つのメッセージを訴求するメールを作成して、多くの人に送るという古いマーケティングから脱する必要がある。マーケティングと顧客エンゲージメントは、“心温まる会話”や“満たされた関係”に近づくことを目標にすべきだ」とMagnuson氏は述べ、「一緒にこれを実現していこう」と呼びかけた。