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ポストCDPに向けた新機能などを発表 今注目のBrazeがNYで開催のイベントをレポート

CDPは不要になる?新機能についてCEO・CTOにインタビュー

今回、Bill Magnuson氏(CEO)とJon Hyman氏(CTO)に直接話を聞くことができた。ここからは、新機能「Cloud Data Ingestion」の詳細を中心に、製品アップデートの意図を深掘りしたインタビュー内容を紹介する。

【左】Braze Co-founder CEO Bill Magnuson氏【右】Braze Co-founder CTO Jon Hyman氏
【左】Braze Co-founder CEO Bill Magnuson氏
【右】Braze Co-founder CTO Jon Hyman氏

――今回、「Cloud Data Ingestion」の第一弾として、Snowflakeとの統合が発表されました。「Cloud Data Ingestion」は、Brazeのプラットフォームにどのような影響を与えるのでしょうか?

Magnuson:これまでBrazeにデータを取り込むためには、直接統合する/パートナーを経由する/Rest APIを介する/CDPを利用する、などの方法がありました。最も多いのは直接統合で、モバイルアプリやWebサイトとBrazeを直接つなぎ、ユーザーがインタラクションするとデータが自動的にBrazeに流れる仕組みにしていました。

 今回発表した「Cloud Data Ingestion」は、新しいデータソースとして、クラウドのデータウェアハウスから簡単にBrazeにデータを入れることができる機能です。Brazeでデータウェアハウスから取り込みたいデータを設定するだけで、Brazeが自動的にデータのインポートを管理します。これまでならエンジニアに仕組みを構築してもらわなければならなかったところを、Brazeが運用も含めて行う形です。

 新しいデータソースをすぐに利用できるようにすることは、我々が開発で重視していることの1つです。継続的にデータに対してアクションを取っていくためには必要不可欠な機能だと考えています。

 発表のとおり、まずは「Snowflake」に対応し、今後は「AWS Red Shift」「Google BigQuery」も使えるようになります。ちなみに、Brazeの顧客企業の中で「Snowflake」の利用は増えており、これは私の感覚値になりますが、先進的な取り組みをしている顧客企業の50%以上が「Snowflake」を利用していると見ています。

――「Cloud Data Ingestion」のような機能が利用されるようになれば、今後CDPは不要になっていくという見方もできるのでしょうか?

Magnuson:CDPはミドルレイヤーとして、Brazeにデータを入れるという点でも、Brazeが生成するデータを送るという点でも重要な役割を果たしてきました。「Snowflake」に多くのデータを保持している場合、これまでは一度CDPにデータを送り、そこからまたBrazeに送るという流れでしたが、ここが直接つながることで、CDPが不要になるケースも出てくるでしょう。

 CDPが果たすべき役割は変化しており、追加でCDP単体を入れなければならないというケースは減っています。つまり、単にあるポイントから別のポイントに移すためのミドルレイヤーとしての価値は下がってきていると見ています。

Hyman:Brazeには「Braze Alloys」というパートナープログラムがあります。現在40社以上が参加しており、直接Brazeと連携できるパートナーが増えています。Brazeのエコシステムができつつあり、直接つながるデータサービスが今後さらに増えていくことでしょう。

――もう1つ、イベントでは「427° Innovation Lab」のローンチも発表されました。「427° Innovation Lab」は、クリエイティブを創出する場ということですが、この狙いについて教えてください。

Magnuson:Brazeをどう使うか? というインスピレーションを顧客企業に与えるというのが大きな狙いです。たとえば、Burger Kingの「Whopper Detour」は素晴らしいアイデアで、世界的な広告賞であるCannes Lions Festivalsで複数のアワードを受賞しました。このキャンペーンは、エージェンシーがアイデアを想起し、Brazeが技術面でコラボレーションすることで実現したものです。

 我々は、顧客に単にテクノロジーを提供するのではなく、クリエイティブの面でもサポートをしていきたいと思っています。「427° Innovation Lab」では、エージェンシーなどクリエイティブ畑のみなさんの協力を仰ぎ、クリエイティブとテクノロジーの組み合わせで、インパクトが大きくエンゲージの高いキャンペーンの実現をサポートしていきます。

 今、マーケティングとクリエイティブチームの間には隔たりがあります。この隔たりを埋めることで、シナジー効果が創出されていくでしょう。

人間らしいマーケティングとは? それをいかにテクノロジーで実現していくのか? 本稿に続き次回の記事では、Brazeの思想を反映させた製品についてインタビューした内容をご紹介します。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/07 11:16 https://markezine.jp/article/detail/40491

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