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私のキャリア

toC/toBにこだわるのは「もったいない」 独立を経てLayerXに入社した鋤柄氏のキャリア論

toC/toBにこだわらないキャリア設計

──SaaSのマーケティングという点で、今のLayerXでのマーケティングのおもしろさはどう感じられていますか?

鋤柄:「THE MODEL」と呼ばれるビジネス組織の構造を、LayerXでも導入しています。バクラクは、現在マーケティングとインサイドセールス、フィールドセールス、そしてカスタマーサクセスの4部門に分かれて活動しています。

 4部門全体で横断的に連携するのはもちろん、マーケティングチームが特に強く連携しているのがインサイドセールス。マーケティングとインサイドセールスがともに商談獲得を目指す姿勢で取り組んでいて、その連携強化によって商談獲得率に差が出てくるのが数字にも現れているのでおもしろいですね。

──効果的な部署連携のために、LayerXで特に注力していることはありますか?

鋤柄:合同のミーティングを増やしたり、共通の指標を持てるようにダッシュボードを統一化したりしています。

 また、チャネルごとにマーケティングとインサイドセールスの連携をしっかり強めることで、数字が伸びることがわかっています。たとえば、先日オフラインの展示会で、大量に獲得した名刺を、当日中にコンタクト化してインサイドセールスに渡して、当日や翌日にすぐコンタクトを取るというオペレーションを回していました。これによって商談獲得率は(従来の展示会の)2倍に増加したんです。

──LayerXに入社されて半年ほど経ちますが、今後、鋤柄さんがどういったキャリアビジョンを描かれていくのか、おうかがいできますか?

鋤柄:メルカリのときもLayerXのときも、誰と働くかは大事にしています。LayerXでは業務委託の時に一緒に働いたメンバーの人柄や仕事の仕方が合っていると感じました。尊敬できる部分があるか、あるいはもっと単純に一緒に働きたいと思うかを基準にしてきたと思います。

 その中で、今はまだLayerXでB向けのマーケティングを始めたばかりなので、数年かけてLayerXでしっかりスキルを磨いていきたい。そのあとのことは正直全然わからないです。

──toC/toBにこだわらず、どちらのスキルも磨いていくのでしょうか?

鋤柄:マーケティングは結局「誰に届けるか」です。サービスによってターゲットの広さ狭さはあると思いますが、toCかtoBかは正直どちらでもいいと思っています。

 「toCでやりたい」「toBでやりたい」といった意識が強すぎると、キャリアが狭まってしまうのでもったいないですし、マーケターがtoCの業界に偏ってしまうことにもなるかもしれない。僕自身は、toCかtoBかはこれからもあまり意識しないと思います。

スペシャリストを目指すか、ジェネラリストを目指すか

──これからどういうキャリアを歩もうかと悩まれているマーケターの方も多いと思いますが、鋤柄さんのようにtoC/toB関係なく活躍できるマーケターになるための、アドバイスをいただけますか。

鋤柄:マーケターのキャリアとしては、スペシャリストになるのか、ジェネラリストになるのかによって、キャリアの作り方が異なるので、まずはそこを明確にすることですかね。

 スペシャリストになるなら分野を絞る必要があります。チャネル単位なのか、ターゲットなのか。何に特化するのかを決めて、それを真摯に磨いていくことになるでしょう。

 ジェネラリストなら、多様なチャネルやプロダクトに挑戦させてもらえる環境が大事。たとえば今いる会社では特定のチャネルしかできないのであれば、理想とするキャリアは作りづらいので、複数プロダクトのマーケティングが経験できる環境に移るなど、見極める必要があると思います。自分がどういう環境でマーケティングをやっていくのがキャリアにとって最もプラスになるのかを考えてみてください。

──鋤柄さんはジェネラリスト的に行こうと決められたわけですよね。

鋤柄:そうです。1社目は縦割りの組織で、僕はデジタルのマーケティングの担当だったので、テレビCMなどに挑戦できる環境ではありませんでした。もっと幅広いマーケティングをやれるところに行こうと転職活動をしたのですが、まだ3年目だったので、それぐらいの年次でもいろいろ任せてもらえるスタートアップに絞って、メルカリに入社したわけです。

 当時一人目のマーケターだったので、経験のあるデジタルマーケティングから始めつつ、テレビCMやリアルのイベントも任せてもらえて、マーケターとしての幅が広がっていきました。

 スペシャリストかジェネラリストか、まだ方向性がわからない方は、決め打ちせずにいろいろ挑戦してみてください。やってみないと自分の向き不向きや、それをおもしろいと思うのかはわからないと思います。

──日本企業には縦割り組織が多いですが、多様なチャネルや上流のマーケティングに関わるには、どんな環境を目指すとよさそうでしょうか。

鋤柄:僕のようにスタートアップに飛び込んでみるのも一つの選択肢だと思います。スタートアップは一人がいろいろやらないと回らない環境のことも多いです。あるいはマーケティングコンサル的なところで、複数のサービスに携わるのもプラスの経験になりそうです。

──最後に、来年の展望を教えてください。

鋤柄:個人としてもLayerXとしても、バクラクのマーケティングに注力することが第一です。

 バクラクは「経理の方の業務をバクラク」にするというコンセプトなので、経理の方にとってのSaaS=バクラクと言ってもらえるような市場環境を目指します。そのために、今まで通りのマーケティング活動を推進しつつ、それだけでは爆発的にサービスを伸ばすには足りないと思うので、これまでやってこなかった施策や挑戦を増やしたいですね。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/24 09:30 https://markezine.jp/article/detail/40596

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