質の高いリーチを実現する、新たな接点
――コンテクスチュアルターゲティングに取り組まれた理由を教えてください。
吉田:今まではYouTubeで幅広い層に向けて広告配信をしていました。しかし、歯磨きで十分だと感じているユーザーにただCMを配信したとしても簡単に態度変容につながるわけではないため、ターゲティングや配信面で新たなやり方がないか模索していました。親和性の高い配信面で出した方がポテンシャル層に効率的にメッセージを届けられるのではないかということで、コロナの影響で殺菌意識を強く感じている層に向けたコンテクスチュアルターゲティングに挑戦しました。
期待したのは、質の高いリーチです。またクッキーレス化への対策として、トライアルしてみたいというのもありました。
為谷:コンテクスチュアルターゲティングをプランニングした背景としては、「国民皆歯科健診」が骨太方針に入ったことやコロナウイルスの広まりがあります。こうしたことを受け、殺菌に対する消費者の意識が高まることを見据えた際、そういったコンテキストの記事が増えると考えたからです。
――CTV・OTTについてはいかがですか。
吉田:目的としていたのは、テレビを見ない人も含めた、質の高いターゲティングです。YouTubeなどのデジタル動画をテレビ画面につなげて見る人が増えているので、テレビCMの素材で、テレビと近いインパクトが出せるのではないかと予想しました。
また他の広告メニューと異なり、途中でスキップできないので完全視聴率が高くなることと、フリークエンシーが設定できるので同じ人に何度も当てすぎないよう調整できる点もメリットだと感じました。
為谷:CTV・OTTでは、画面の大きさの違いからか、スマートフォンやPCで見るよりも広告のインパクトが強くなり、購買や認知につながりやすいと他の案件でもデータが出ています。テレビを追随するプラットフォームとして、今後セールスやリーチのドライバーとなることを想定しています。
クッキーレス化に対応する独自技術
――今回The Trade Desk様をパートナーとした背景や期待した点を教えてください。
為谷:ジョンソン・エンド・ジョンソン様と3社でグローバル契約を締結しているため、一緒に取り組みやすいというのがありました。また、他のDSPよりもターゲティング粒度や、セグメントのバリエーションのレベルが高いのも理由です。
――The Trade Desk様は、どのような提案を行いましたか。
佐藤:お声がけいただいた時点でコンテクスチュアルターゲティングをやることは既に決まっていました。CTV・OTTは検討されているところだったので、合わせておすすめしました。
佐藤:理由は2つありまして、1つは他のクライアントで活用した際にどれもレスポンスが良かったからです。認知や興味関心はもちろん、比較検討や購買意向などリフトアップが高く出ることが特徴です。
TVerをスマートフォンで見た場合にもリフトアップが大きくなります。そのため画面サイズだけではなく、配信されるコンテンツもテレビクオリティのコンテンツなので、視聴の質が良くなるからではないかと我々は考えています。
もう1つが弊社独自の技術によって、CTV・OTTにも拡張してターゲティングできる点です。これによりクッキーレス化によるターゲティング手段の減少をカバーできるからです。
――どういった技術なのでしょうか。
佐藤:我々は、「ハウスホールド(世帯)グラフ」という、各世帯にどういうデバイスがあるかというグラフを持っています。これにより、CTV・OTTでもオーディエンス配信を実現しています。この技術のおかげで精緻なターゲティングが実現できているのです。