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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

事例で学ぶ、Z世代・ミレニアル世代へのアプローチ

今と未来のユーザーが集まるコミュニティづくり ベル ジャポン「キリ」のInstagram運用


「自分にやさしく」ブランドメッセージに基づいたInstagram運用

久保:ここからはベル ジャポン様を支援させていただいている弊社の奥秋とともに、キリの公式Instagramアカウント(@kirijp_cp)運用についてお話を伺います。Instagramの運用においては、どのような目的や方針を立てているのでしょうか?

畠中:Instagramではキリブランドとして、機能価値と情緒価値を伝えることを意識しています。

 機能価値とはクリーミーな美味しさや、便利なポーションタイプであること、それから手軽にカルシウムが摂れるなどといった点です。一方で情緒的な価値としては、ブランドメッセージ「自分にやさしく」を伝えるようにしています。

 背景として、先進国の女性が社会的なストレスや仕事と家庭のバランスをとることが難しい状況にあります。その中でもキリをお召し上がりいただくことで、少しでも自分にやさしくなる瞬間を持ってもらいたいという想いでメッセージを発信しています。 

久保:近年の若年層は、自分にやさしくできていたり、自信を持っていたりするタレントさんを支持する傾向が見られますね。私たちはブランドも同じだと考えています。

奥秋:SNS上のコミュニケーションについて、キリは元々Instagramに多くUGCが集まっていました。さらにキリのポーションの見た目の可愛さや華やかさなどもあって、Instagramとの相性が良い状態にありました。

奥秋氏
株式会社トライバルメディアハウス マーケティングデザイン事業本部 マーケティングソーシャライズ部 ファンエンゲージメント第二チーム 奥秋花氏

奥秋:ベル ジャポン様とより本格的に若年層との関係構築へと取り組む際、前述した状況が現在のファンだけの盛り上がりになってしまうのはもったいないと考え、ユーザーと長くつながり合えるSNSの特長を活かし、キリの今のファンと、未来のファンが集う、プチコミュニティを作っていきました

 その戦略については、以前ベル ジャポン様が行われていた「Treat yourself」というプチご褒美の文脈を参考にしています。ソーシャルリスニングをかけ、過去3年間で盛り上がりを見せていた「ご自愛」や「自己愛」といったキーワードを中心に方向性を組み立て、幅広い年齢層の方々にご参加いただけるプロモーションをつくっていったんです。

幅広いターゲットに受け入れられる、キリらしいトーン&マナー

奥秋:実際の運用では、先ほどのコンセプトをもとに、ライトなコンテンツを制作。そうしてキリにポジティブな接触をしてもらう点を意識していきました。

 KGIとしてコミュニケーションを通じたブランド想起率の向上や、好意度の上昇を設定。KPIには、インプレッションやフォロワーといった、エンゲージメント率を計測していきました。

久保:フォロワー数というのはブランドの認知度に寄与する重要な値です。一方でそれだけを追ってしまうと、元々設定していたKGIに乖離が生まれてしまいますよね。

 キリのアカウントではフォロワー数をあくまで指標の一つとして設定し、エンゲージメント率の向上に重心を置くことで、KGIに則した目標設定になっていると思います。

畠中:写真や投稿などのコンテンツについても「キリを食べて自分にやさしくなろう」というポジティブな発信を心がけており、そのトーンにおいてもブランドへのイメージを意識しています。

 食品のブランドとして、食事のシーンにおいて好まれる清潔感や礼儀正しさを基本とし、プレミアム感がありつつも自然な印象を持っていただける語り口にしています。

久保:アカウントのトーン&マナーは、ブランドのポジションをどこに置きたいかによって変わってくる部分だと考えています。

奥秋:キリブランドは、特別な日にしか買わない商材ではありません。パンに塗って食べたり、おやつとして食べたりと、どんなオケージョンにも合う、身近な存在ですね。

 こういった背景からどのターゲット層にも受け入れられることが大切だと考えているので、今のトーン&マナーが適切だと思っています。

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喫食体験やコメントにつながるクリエイティブづくり

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この記事の著者

タカハシ コウキ(タカハシ コウキ)

1997年生まれ。2020年に駒沢大学経済学部を卒業。在学中よりインターンなどで記事制作を経験。卒業後、フリーライターとして、インタビューやレポート記事を執筆している。またカメラマンとしても活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/27 18:59 https://markezine.jp/article/detail/40662

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