インサイトをいまいち掴みきれていない
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは自己紹介をお願いします。
河井(サンリオエンターテイメント):当社では、東京都多摩市にある「サンリオピューロランド」と、その姉妹施設にあたる「ハーモニーランド」という2つのテーマパークを運営しています。私は2022年9月まで、営業部営業推進課においてパークの集客やプロモーションを担当していました。
福武(三井住友カード):私は三井住友カードで、キャッシュレスデータを基にした分析支援サービス「Custella Analytics」のデータビジネスプランナーを務めています。Custella Analyticsは、三井住友カードのキャッシュレスデータを基にした分析支援サービスです。サンリオエンターテイメント様をはじめとするクライアントに課題を伺いながら、ビジネスインパクトを生む分析結果を導くために要件定義や切り口のご提案を行っています。
杉本(三井住友カード):私はCustella Analyticsのデータアナリストを務めています。福武のようなビジネスプランナーから共有されたクライアントの課題や仮説を検証するために、当社が保有する膨大なデータを使いながら分析し、課題解決につながるようアウトプットしています。
MZ:サンリオエンターテイメントでは、サンリオピューロランドの集客促進を目的に2021年6月からCustella Analyticsを活用しているそうですね。活用以前はどのようなマーケティング課題を抱えていたのでしょうか。
河井(サンリオエンターテイメント):当社では収益の向上を目指し、7、8年ほど前に集客施策をテレビCMからSNSを中心としたWebへとシフトし始めました。それにともない、調査会社を利用してインサイトを捉えようとしたところ「いまいち掴みきれていない」と感じたのです。リーチしそうなターゲット層を定めてSNS施策を打っても、CPAが振るわない。「インサイトをさらに深掘りすれば、より確度の高い方々に届くのではないか」と考え、Custella Analyticsの活用に至りました。
仮説に基づき2ステップの分析プランを提案
MZ:数ある分析サービスの中からCustella Analyticsを選んだ理由を教えてください。
河井(サンリオエンターテイメント):元々サンリオピューロランドとSMBCファイナンスグループはスポンサーシップ契約を結んでおり、同社の決済端末「stera(ステラ)」をパーク内に導入していたんです。その流れでCustella Analyticsを知り、steraの決済データを活用できると聞きました。決済が発生したということは、パーク内で何かしらの商取引を行ったということ。来場したかどうかわからない方を調査するよりも、信ぴょう性の高い結果が得られるはずです。その点は非常に魅力的でした。
MZ:サンリオエンターテイメントの課題を踏まえ、Custella Analyticsではどのような分析プランを提案されたのですか。
福武(三井住友カード):まず「膨大な情報量の中から、どのデータを見るのがベストか」を河井さんと議論しました。その結果、着目したのがエリア軸です。当社のような金融機関に登録されている居住地データには、一定の信頼性があります。遠方からのお客様は観光目的の方も多いため「1回の来場で使う金額が大きいのではないか」という仮説を立て、2ステップのプランを提案しました。
ステップ1では「近場」「中距離」「遠方」の3つにエリアを分類し、遠方のお客様の単価は本当に高いのか、もしそうなら高単価の来場者にはどのような特徴があるのかを具体的に分析します。
ステップ2では集客施策を見据え、ペルソナの分析を行いました。たとえば「20代女性は普段何にお金を使い、どこへ行き、どういうものが好きなのか」「SNS広告を配信するなら、どのタイミングで何を訴求すれば良いのか」という観点から、購買データを基にお客様の解像度を上げるものです。