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イベントレポート

「SDGs」「DX」に並ぶリリース頻出ワードは?プレスリリースアワード2022授賞式レポート

バレンタインチョコのロス削減に取り組んだクラダシ

 プレスリリースアワード 2022では「2021年9月1日(水)~2022年8月31日(水)の期間中に配信されたもの」という条件の下、プレスリリースを募集。応募のあったリリース計1,412件から最終審査に通った10社のリリースに賞を授与した。なお、本アワードでは大賞を設けていない。以下の7部門において受賞企業を選出した。

・インフルエンス賞
・ソーシャル賞
・パブリック賞
・エンパシー賞
・ヒューマン賞
・ストーリー賞
・特別賞
授賞式の様子

 エンパシー賞に輝いたのはクラダシだ。同社は、やむを得ない理由で流通に卸せず廃棄される商品を協賛メーカーから安価で買い付け、その分お得な価格で消費者に販売するECサイト「KURADASHI」を運営する。なお、売上の一部は社会貢献活動団体に寄付しているという。

 そんな同社が実施したのが、バレンタインに余ったチョコレートを販売するポップアップ企画だ。2022年2月15日(火)~17日(木)の3日間限定で東急プラザ渋谷・表参道原宿において行われた。

2022年2月15日(火)~17日(木)の期間限定で行われたクラダシのポップアップ企画

 クラダシは2022年2月14日、PR TIMESなどで告知リリースを配信。リリースには企画の趣旨のほか、総務省統計局が公表しているチョコレートへの支出金額調査の結果を一部盛り込んだ。同調査によると、2013~2015年はバレンタインデー前日の2月13日にチョコレートの支出が最も多かった。そして、バレンタインデー当日の2月14日を過ぎると需要が急激に落ち、バレンタイン限定のパッケージが施されたチョコレートは、賞味期限内であってもメーカーに返品されたり、廃棄されたりする場合があるという。そこでクラダシは、2月14日以降に発生しがちなチョコレートのフードロス問題を解決する目的でポップアップを実施。計2,312個のチョコレートロス削減につなげた

「私たちのバレンタインは2月15日から始まります。」

 受賞したクラダシからは人事広報部長の徳山耕平氏らが出席。壇上に上がった徳山氏はこう語った。

受賞に際し、あいさつを述べるクラダシの徳山耕平氏(写真手前)

 「世界の温室効果ガスの8~10%は、フードロスが原因と言われています。日本で我々が安心・安全でおいしいものを毎日食べられているのは、季節性の需要の変動など様々な課題を乗り越えて努力されている食品関連事業者の努力の賜物です。一方で『毎日ものを食べられる』ということは、フードロスを前提とした仕組みになってしまっているとも言えます。このフードロスを前提とした今の環境について『どれほどの生活者が自覚できているのか』『そうした事実に触れる機会が少ないのではないか』と考え、バレンタインをきっかけに、皆で解決策を考えていく機会にしたいと思いました」(徳山氏)

 では、クラダシのプレスリリースのどの点が受賞につながったのだろうか。審査員の一人であるNewsPickのCXO池田光史氏は「プレスリリースにも盛り込まれている『私たちのバレンタインは2月15日から始まります。』のコピーが秀逸だった」と語る。

クラダシのポップアップ企画のクリエイティブ

 「世間を見渡せば、一方でフードロスが叫ばれているのに、他方で呑気にバレンタインデーやホワイトデーが取り上げられている。そうした事態に改めて気づかされました。社会全体で考えるきっかけになり得るポップアップ企画ではないでしょうか」(池田氏)

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この記事の著者

宮田 浩平(編集部)(ミヤタ コウヘイ)

MarkeZine編集部。香川県出身。2016年に時事通信社入社、広島支社、岐阜支局で勤務。2019年から広告・マーケティングの専門メディアで編集者。主にPR・ブランディングやプロモーション領域の取材を担当。2022年5月から現職。企業のサステナブルやDE&Iを軸にした取り組みに興味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/12/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/40709

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