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コロナ禍で変わったこと・変わらないこと

五輪開催に合わせた壮大な構想が白紙に…迅速なDXで3万人規模のウェビナーを成功させたNECの今と未来

マーケティング部が営業部から相談を受ける立場に

鈴木:社内の環境はコロナ禍でどう変化しましたか。

茂木:社内では元々、五輪に向けてテレワーク環境のテストを実施していたため、ファシリティは整っていました。比較的スピーディーにオンラインシフトできたと思います。

コロナ禍を機に開設した社内スタジオ
コロナ禍を機に開設した社内スタジオ。元々は会議室として使われていた場所を改装した

茂木:ただ、オンラインシフトの対応状況は企業によって様々です。中には対応しきれていないお客様もいらっしゃるため、営業部門から「一体どうやってお客様とコミュニケーションをとれば良いのか」と相談をもらうようになりました。

鈴木:それまでオンラインはあくまでリアルの補完であり、「リアルで集客するための認知拡大ツール」といった位置づけでしたからね。特にBtoBでは、リアルで会うことがジェネレーションやナーチャリングであり、実はMQLやSQLでもある。自分たちの土俵で、なかなかアポを取れない人に会えるわけですから。

東海林:実際、コロナ禍が訪れる前は、当社の年間計画の中でもリアルイベントの占める割合が非常に大きかったです。

購買に近いプロセスまでマーケティングが関与

鈴木:コロナ禍の到来によって、大きく変わったことを教えてください。

茂木:コロナ禍で、マーケティングの価値は180度変わったと思います。お客様との接点をなかなかつくれない中、営業は対面中心だったアプローチを変えていかなければなりません。「デジタルマーケティングを推進していたマーケティング部門には、オンライン上でビジネスを展開するノウハウがあるはず」という社内のイメージから、我々に求められる価値が変わったように感じました。

茂木:それまでマーケティングには、ブランディングやプロモーション、アウェアネスの向上などが期待されていました。コロナ禍以降は「セールス活動につながるマーケティングを一緒に進めてほしい」と言われるなど、カスタマージャーニーの中でも購買により近いところまで求められてきた気がします。

東海林:コロナ禍以前は営業部門が対応していない“ホワイトスペース”をデジタルマーケティングで対応していた面がありました。コロナ禍を経て「ホワイトスペース以外の領域にもマーケティングを活用できないか」と考えられるようになったのです。

鈴木:営業とマーケティングがまさに“ワンチーム”となったわけですね。マーケティングへの理解が進むと、共通の言語で話せるようになりませんか。フィールドセールスともMQLという単語を使って会話ができたり。

茂木:そうですね。マーケティングがマーケティング部門のものだけではなく、営業部門やプロダクト部門、エグゼクティブを含めた全社の活動になってきたと感じます。

東海林:コロナ禍に入って、データ化も一気に進みました。それまでもオウンドメディア「wisdom」を通じてファーストパーティーデータを取得していたものの、重要なお客様や役職者の方のデータは営業がすべて紙で管理していたんです。それらのフィジカルデータをデジタルデータ化し、マーケティング部門で活用するパーミッションが取れていませんでした。コロナ禍を機にデータ化へ着手し、2020年度中にほぼすべての情報をデータベースに取り込むことができました。

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マーケティングの本質は変わらない

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/02/09 09:00 https://markezine.jp/article/detail/41207

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