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名刺管理サービスから営業DXサービスへ 事業ピボットを経て成長したSansanのストーリー


 SaaS型のビジネスモデルが登場して20年以上の時が経ちました。市場規模が拡大を続ける中、プロダクトローンチ当初に打ち出した事業コンセプトのままでは競争に打ち勝つことができず、市場から撤退する企業もあるといいます。Sansanは、コロナ禍にともなう紙の名刺の利用減少を受けてサービスの成長率が鈍化したものの、2022年4月に事業コンセプトを「名刺管理サービス」から「営業DXサービス」へと一新。従来の役割をアップデートした結果、導入企業数を伸ばしています。本記事では、事業ピボットの背景とプロセス、得られた成果を担当者にうかがいました。

Bill OneからSansanのマーケティング担当へ

──まずは柳生さんの簡単なご経歴と、現職で担当されている業務について教えてください。

 2016年にSansanへ入社し、半年間SMBのお客様向けにインサイドセールスを行ったのち、マーケティング職に就きました。最初は広告出稿やWebサイトの改善など、施策単位でマーケティング業務にあたっていましたが、インボイス管理サービス「Bill One」のリリースにともない、同事業の最初のマーケティング担当となったのが2020年のことです。

Sansan ビジネス統括本部 マーケティング部 マーケティングストラテジー1グループ マネジャー 柳生大智氏
Sansan ビジネス統括本部 マーケティング部 マーケティングストラテジー1グループ マネジャー 柳生大智氏

 約2年間Bill Oneのマーケティングチームでマネージャーを務め、2022年6月に「Sansan」事業のマーケティングチームでマネージャーに就任しました。ここでは2名のコアメンバーとともに、イベントやコンテンツのプランニングなど、いわゆる戦略立案を行っています。

施策を打てば事業数字に跳ね返ってきた時期

──貴社では2013年に、法人向けクラウド名刺管理サービスとしてSansanの提供をスタートしました。当時のSaaS市場の概況や、Sansanのマーケティング活動と成果についてお話しいただけますか。

 Sansanをリリースした直後はSaaSという言葉がまだ浸透しておらず、クラウド名刺管理サービスと謳っても反響は今ほど大きくなかったようです。そこから地道にビジネスを拡大し、テレビCMの放送も開始しました。時を同じくしてSaaS市場が伸び始め、Sansanの売上も大きく伸長。カスタマーサクセスチームを組織し、当時からLTVの最大化には注力していました。

 リリースから約3年で堅固な事業基盤をつくることができたため、マーケティングへの投資をさらに強化する方針が決まりました。そこで立ち上がったプロジェクトが、自社カンファレンス「Sansan Innovation Project」です。「テレビCMの次はオフラインマーケティングだ」という気概で開催回数を重ね、2019年に5,000名規模のイベントにまで成長しました。私が入社したのはちょうどその頃です。施策を打てば事業数字に跳ね返ってくる手応えを感じられる時期でしたね。

──2020年に到来したコロナ禍は、様々なビジネスに多大な影響を与えることとなりました。貴社が直面した課題を教えてください。

 出社や名刺交換の機会が減ったことにより、名刺の取り込み枚数が一時的に激減しました。プロダクトのあり方を見つめ直した結果「名刺文化をアップデートする」という当社が元々掲げていたミッションの延長線上で、オンライン名刺の機能をリリースしたのです。オンライン名刺機能のほかにメールの署名取り込み機能も追加し、お客様の働き方に応じて出会いのデータを残せるように工夫しました。

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名刺の取り込み枚数6割減を経て事業ピボットへ

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/14 10:24 https://markezine.jp/article/detail/41341

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