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バレンタインのフードロス削減イベントが成功 クラダシが重要視した「参加の敷居を下げるライトさ」

コピーをあえてライトにすることでイベント参加の敷居を下げる

MZ:イベントのコピー「私たちのバレンタイン2月15日から始まります」はとても印象的です。どのようにして決めたのかご教示ください。

溝口:Kuradashiでは「楽しいお買い物でみんなトクするソーシャルグッドマーケット」をパーパスにしています。フードロスは深刻な問題であることから、一般には暗く真面目に堅苦しく伝えられていることが多いと思います。

 もちろん深刻な問題ですが、より多くの人に興味を持って参加していただくために、深刻になりすぎず、楽しいお買い物を通じてポジティブに明るくフードロス削減に取り組んでもらいたいと考えています。

 今回の施策ではそういった想いから、「私たちのバレンタイン2月15日から始まります。」というキャッチーなコピーと、わくわくするようなクリエイティブデザインにしました。参加する敷居を下げて、フードロス問題に興味を持つきっかけがよりライトになるような設計になっています。

600個のセットが3日間で完売 「ロスチョコおたすけセット」

MZ:今回の開催で昨年と大きく変わった部分がございましたらお聞かせください。

溝口:オンラインで言うと、より楽しい要素をプラスアルファで加えたいという思いから、オンライン限定で「ロスチョコおたすけセット」というセット組の商品の販売をイベントの開催に合わせて開始したことが大きな改善ポイントです。

 こちらは非常に好評で、元々作っていた600個のセットがわずか3日間で完売してしまい、追加で1,200個作成したほどでした。最終的に、今回のキャンペーンでは、オンライン・オフライン合わせて9,337個のチョコレートを販売し、フードロスを削減することができました。

ロスチョコお助けセット
ロスチョコおたすけセット

山口:オフライン部分では、開催場所を大幅に拡大しました。昨年度は2店舗で3日間の開催でしたが、今年は11店舗に拡大し、開催期間はそれぞれの場所で異なるのですが、最大3月上旬まで展開しました。日本出版販売さんや大津のサービスエリアさんからパートナー協力を得られたことで、今年は関東圏以外の地域へも拡大ができ、より広い範囲で販売を行えました。

 さらに、開催場所については、昨年は渋谷や、表参道といった都心部での開催だったのですが、今年は、千葉や神奈川といった郊外に移しました。その結果、お住まいの近くにお買い物に来たついでにチョコを買っていくといった事例も多く、非常に反響がありました。

キャッチーなコピーでCTRが300%向上

MZ:イベント認知獲得を目指す上で、どのような設計で発信を行いましたか?

溝口:オンラインに関しては、Web広告で「私たちのバレンタインは2月15日から始まります。」のバナーを配信し、それに合わせて公式Twitterでも訴求を展開しました。

 コピーがキャッチーでバナーが目を引くデザインだったこともあり、広告バナーCTRは通常のバナーの300%と非常に高く、それによりインプレッションが非常に伸びました。Twitterの投稿も引用リツイート含めて伸びていたので、普段Kuradashiの広告やツイートが配信されないユーザー層の目に触れ、Kuradashiのサイトに訪れる最初のきっかけは一定数作れたと思っています。

 さらに、ポップアップショップの開催協力パートナーである日本出版販売さんも、ポジティブな取り組みとして、公式アカウントで宣伝をしてくれていました。そういった要因もあり、キャンペーンページのPVも、通常のキャンペーンの2.4倍まで伸びました

 実際にSNSでキャンペーンバナーを見ていただいた方やポップアップショップに来ていただいたお客様からは「確かに2月15日からチョコって見なくなるよね」といった真面目なコメントだけでなく、「バレンタイン買い忘れていたから、今買っちゃえ」といったライトなコメントも見られました。意図した通り、気づきのきっかけづくりと、敷居を下げて参加ハードルを下げることが叶えられたと思っています。

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フードロス削減に協力して客単価も向上

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/03/29 09:00 https://markezine.jp/article/detail/41690

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