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MarkeZine Day 2023 Spring(AD)

EC売上が半年で10倍に 博報堂DYグループと梅乃宿酒造に学ぶ「D2C×共創型マーケティング」の実践

 コロナ禍によって急速に拡大することになったECビジネス。進出企業が増えたことで、各社とも熾烈な争いに巻き込まれているのが現状だ。そんな中、奈良県の日本酒蔵「梅乃宿酒造」では、HAKUHODO EC+の支援を受け、わずか半年でECの売上額を10倍まで増やすことに成功したという。同社が取り入れたという「共創型マーケティング」とはどのような手法なのか。本稿では、梅乃宿酒造株式会社の古澤幸彦氏と博報堂DYグループのEC領域横断型組織であるHAKUHODO EC+の桑嶋剛史氏がMarkeZine Day 2023 Springで行ったセッションをレポートする。

ECブランドが理解すべき「マーケティング手法の違い」

 博報堂内でECのコンサルティングチームの立ち上げにも参画してきたHAKUHODO EC+の桑嶋剛史氏は、近年、消費者のコマースをめぐる環境が大きく変化していると解説する。

 「特にこの数年、新型コロナウイルスによるパンデミックという事態を受けて、日本においてもECが主戦場となりました。この事態を引き起こした要因の一つ目は、オンラインへの心理的障壁がなくなった消費者の『意識』の変化であり、二つ目は、スピーディにオンラインコマースを始められるようになった事業者の『環境』の変化です」(桑嶋氏)

桑嶋氏
HAKUHODO EC+ ビジネスコンサルタント/株式会社博報堂 ショッパーマーケティング事業局 イノベーションプラニングディレクター 桑嶋 剛史氏

 不要不急の外出を減らし、買物に行く頻度も減らすようになった生活者が、購入場所をオンラインに切り替える動きが加速。それによってオンライン購買が「日常」になったと桑嶋氏は言う。また、様々なオンラインコマースの登場により、それらを下支えするシステム面も大幅に変化することになった。その代表格ともいえる「Shopify」が、ECカートシステムをアプリ操作のような簡単さで実装できるようにした影響も大きいと同氏は言う。

 そうした環境変化により、自社チャネルの開設、モールマーケティングの強化、D2Cブランドの開発といったECビジネスへの熱量が加速する一方、競争が激化し、既存マーケティングとの違いに各社が苦戦しているのもまた事実だという。

 「最も重要な点は、オンラインとオフラインではマーケティング手法が大きく異なること。その違いをきちんと作れたかどうかで、ECビジネスの成否は決まってきます」(桑嶋氏)

 従来型のデジタルマーケティングといえば、顧客と直につながり、すべての活動を数字で管理するダイレクトマーケティングがメインだった。だが、今は間接的に顧客とつながり、ともにブランドを形づくりながらマスへと広めるブランドマーケティングとの「接合点」が求められていると桑嶋氏は言う。

接合点

 「今のECブランドに求められているのは、一つの手法や目先の数字に引っ張られることなく、 生活者の声にきちんと目を向けることです。そこで我々が推進するのが、オンライン・オフライン双方のユーザーの声を聞きながら、“一緒に”ブランド体験を創っていく『生活者共創型』マーケティングです」(桑嶋氏)

生活者に参加してもらう「共創型マーケティング」の三原則

 桑嶋氏は、生活者共創型マーケティングに必要なこととして、次の三原則を挙げる。

  1. ユーザーが「参加したくなる」ブランド設計を行う
  2. 顧客の声を常に聞き、事業に反映する「仕組み化」
  3. 積極的にファンを「エヴァンジェリスト」に育てていく

 一つ目の「ユーザーが『参加したくなる』ブランド設計」は、事業者側が創ったブランドを受け入れてもらうのではなく、ブランドにユーザー側が参加できる余地を残すことを指している。これにより、ユーザーの声がブランド設計にしっかりと生かされる。

 二つ目の「顧客の声を常に聞き、事業に反映する『仕組み化』」は、オンライン上でユーザーの声を集めることを仕組み化し、いかに事業に反映させるかを指す。ユーザーレビューやインタビューを事業改善に役立てるサイクルの「見える化」などがこれに当たる。

 三つ目の「積極的にファンを『エヴァンジェリスト』に育てていく」のエヴァンジェリストとは、ブランドを好きになって周りに広めてくれる「伝道師」のこと。企業側は、ブランドを好きになってくれた人を発信源にし、彼らが周りに広めたくなるための「武器」を用意することが必要になる。

 これらが従来のマーケティング施策と大きく異なるのは、ユーザーに対してワクワクするような「コト体験」を提供している点だと桑嶋氏はいう。

コト体験

 「生活者の情報リテラシー向上にともなって、PRにおける単なるインフルエンサー起用は、徐々に波及効果が弱くなっています。本物のブランドファンであるエヴァンジェリストを育てることは、時間がかかりますが、『急がば回れ』できちんと効果が出ます。ブランドがきちんと生活者のものになることで、彼らが自発的にブランドを育ててくれるのです」(桑嶋氏)

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ECでパーパス、ミッションの実現するための「三つの問い」

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社博報堂DYホールディングス

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/26 10:00 https://markezine.jp/article/detail/41985

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