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MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

潜在層に届いたのは“コンセプトと一貫した体験” 「チルアウトの湯」企画者に聞く、設計の裏側

売上は前年比+100%で推移 SNSでも約3千件の言及を観測

 今回の施策で、CHILL OUTの売上は自動販売機経由だけでも15%上昇。また、コラボ先の温浴施設の来場人数も「チルアウトの湯」のイベントをきっかけに増加しているという。

 また、全体チャネルで見た売上は、過去1年で見たときに、前年比+100%で推移しており、プロモーションの効果は数字に裏打ちされている

 さらに、定性的な成果として、様々な顧客の声が聞けたという。

 「温浴施設からは、来場者数に貢献できたことで高い満足度を示していただいています。利用者からも、『いい香りでリラックスできた』『次はいつ実施するのか』など、肯定的な声が多く聞かれました」

 SNSにある「チルの湯」「チルアウトの湯」を含む言及数を見ると、1月15日から3月11日までの期間で2,950件、同期間の1日あたりの平均では約50件にもなった

画像を説明するテキストなくても可
ツイートの一例

 本施策で、CHILL OUTに対しての興味関心が高まり、「エナジードリンクの一つという誤解の解消に向けて一歩進めたのでは」と渡邉氏。「ブランドを正しく理解してもらうために、一貫してプロモーションを行い続けたことで、消費者の理解を上げることができた」と振り返った。

ミッションのためターゲットを再策定 定量データより消費者の声を重要視

 CHILL OUTのブランドコンセプトである「地球と人からストレスをなくす」を実現するために地道な製品開発とコミュニケーションが重要だと渡邉氏は語る。 

 「壮大な目標に思えますが、より生きやすい世界や多様性が重視される世界を作ることを本気で目指しています。そのためにも、アプローチする層を広げていきたいです」

 そう意気込むように、これまで20~30代だったCHILL OUTのメインターゲットを、2023年の3月から40代にも広げ、獲得のためのプロモーションを展開していくという。

 「これまでCHILL OUTは、SNS上で拡散されることが認知拡大のきっかけでした。しかし、40代の層は20~30代に比べデジタル比率が落ちることも踏まえなければいけません。テレビCMや店頭でのコミュニケーションといった、いわゆるトラディショナルなツール活用も検討していきたいです」

 また、Endianではそのターゲティングについても独自の要件を新たに定義し、今後の計画に役立てているという。具体的には、自身の性格や考え方について「好きなことはとことん追求する方だ」「ワークライフバランスの取れた生活がしたい」と考える人を「オンとオフの切り替えニーズ」がある“バランサーズ”と呼び、この層へのターゲティングによってさらなる認知拡大を目指している

 「今後も定量的な調査は念入りに行っていきますが、調査に頼りすぎるのではなく、消費者の声や反応から学び続ける姿勢を持ち続けたいと思っています。そうして、消費者の声やテストの結果などから出てきたアイデアを真摯に捉え、考える組織であり続けたいです」

 今回の施策同様、企業主導ではなく、顧客ニーズを深く理解したうえで、アイデアの種を見つけることが、反響を呼ぶコミュニケーションには必要だといえる。

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この記事の著者

釘﨑 彩子(クギサキ アヤコ)

 2019年からマーケティング・広告の専門出版社で編集者として勤務。広報・PR分野を中心に編集業務にあたる。2022年よりフリーランスのライターに。媒体問わず、マーケティング、広報、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/15 07:30 https://markezine.jp/article/detail/42090

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