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潜在層に届いたのは“コンセプトと一貫した体験” 「チルアウトの湯」企画者に聞く、設計の裏側

 リラクゼーションドリンク「CHILL OUT」を販売するEndianは、2月6日の「お風呂の日」と、3月7日の「サウナの日」に合わせ、日本各地の温浴施設とコラボしたプロモーション施策を実施した。お湯にCHILL OUTの香りや色をイメージしたものを採用し、同時にドリンクのサンプリングなども行った。本記事では、Endian 共同代表職務執行者・渡邉憲氏に聞いた、本施策の狙いやポイント、また企画発案の背景などについて紹介。自社商品の潜在顧客を上手くターゲティングし、展開したコミュニケーション施策の設計法を紐解いていく。

ストレス指数が高い現代人に向けて“地球と人からストレスをなくす”ことを掲げるCHILL OUT

 リラクゼーションドリンク「CHILL OUT」は、2月6日のお風呂の日と、3月7日のサウナの日に合わせて、全国各地の銭湯とのコラボプロモーション施策を実施。本施策を統括した、Endianの渡邉憲氏に詳しい話を聞いた。

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合同会社Endian 共同代表職務執行者 渡邉 憲氏

 CHILL OUTは、元々I-neが2016年に発売したリラクゼーションドリンク。2019年に、日本コカ・コーラの資本参加を受けて設立したEndianへと販売が承継された。近年広がりを見せるスリープテックやチル文脈での商品の中でも、先駆けともいえる商品だ。

 「よく混同されがちですが、エナジードリンクとは真逆の考え方で生まれた商品です。日本人は、世界的に見てもストレス指数が非常に高い。そんなどうしても働きすぎてしまう現代人に向けて地球と人からストレスをなくすことをコンセプトとしています」

 元々、渡邉氏は日本コカ・コーラに所属し、コーヒーをはじめ各種飲料の製品、生産ラインの開発を経験してきたという。

 「私はコカ・コーラ内の新規開発部署で、新しい事業をどう興すかを考えてきました。そんな中で海外と比較した際に、日本がいわゆる食品カテゴリーのベンチャー比率が非常に少ないという状況を課題として目にし、ベンチャーマインドをもって商品を出していくような組織を作りたいという想いからEndianを立ち上げました」

 現在はEndianにて、マーケティング領域および経営全般に携わっており、今回紹介するプロモーション施策では、企画・統括を担当している。

リラックス体験を味わってもらうために200超の温浴施設とコラボ

 そんなCHILL OUTが提供するリラックス体験を、ドリンクの飲用を超えて多くの消費者に感じてもらう施策として、実施されたのが「チルアウトの湯」だ。

 温浴施設と協力し、日替わり湯を期間限定でジャック。Endianが開発したCHILL OUTの香りがする入浴剤をお湯に溶かすことで、まるでCHILL OUTに浸かっているかのようなリラックス体験を味わえる。同施策に参加を募ったところ、最終的に200以上の温浴施設が参加するイベントとなった

 また、家庭のお風呂でもプチ体験を可能にするために、温浴施設での実施に加え、SNSキャンペーンを通じて入浴剤の配布も行った。

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製品の香りやカラーをイメージした「チルアウトの湯」

 「チルアウトの湯」は計2回実施され、2月6日の「お風呂の日」では、50以上の温浴施設とコラボ。3月7日の「サウナの日」には、150の施設とコラボし、「チルアウトの湯」が入った大浴場に加え、CHILL OUTの香りをイメージしたロウリュも行った。

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通常コーヒー牛乳などが販売されているスペースで、CHILL OUTも販売

 先述の通り、CHILL OUTは、「地球と人からストレスをなくす」ことがコンセプト。同社では、これまでもクリエイター層など特定の興味関心を抱く集団、トライブに向けた訴求を行ってきた。今回の施策も、お風呂・サウナ利用層へのトライブマーケティングの一環だったという。

 「お風呂やサウナでゆっくりしているときにアイデアが浮かんでくるという方も多いのではないでしょうか。リラックス後の先にあるパフォーマンスにも寄与できる体験価値を届けたいと考えました」

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この記事の著者

釘﨑 彩子(クギサキ アヤコ)

 2019年からマーケティング・広告の専門出版社で編集者として勤務。広報・PR分野を中心に編集業務にあたる。2022年よりフリーランスのライターに。媒体問わず、マーケティング、広報、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。新卒で人材派遣の会社にて営業職を経験し、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/15 07:30 https://markezine.jp/article/detail/42090

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