迷ったら基本に立ち戻って議論する
──限られたマーケティングメンバーで複数のプランを戦略から実践までブレることなく行うためには、社内およびパートナー企業との目線合わせや、優先順位のつけ方が重要かと思います。その点はどのようにお考えですか?
社内についてはUberとしてのフィロソフィーを表す言葉が何個かあり、合言葉のように使われています。たとえば選択で迷ったときも、「こっちのほうが『Do the right thing』だね」「これは『Build with heart』だからやろう」と基本に立ち戻ることができています。この点はメディアプランニングに大きく影響していると思いますね。今の言葉は比較的ユーザーに向けたものですが、他にも、チームで一丸となる『One Uber』や、人やものを運ぶことで世界を良くしていく『Trip obsessed』といった言葉も議論の中で出てきます。
複数社でブランドマネージャーを経験する中で、サービスが何のためにあるのかを社員全員が認識することは難しいと感じることがこれまで度々ありました。しかし、この会社では日常の会話の中でみんなが口にしています。何のためにやっているのかを意識するかどうかで結果が大きく変わると思っているので、ここが徹底されている点は特徴的だと考えています。
外部のパートナーに関しては、クリエイティブエージェンシーとメディアエージェンシーに分かれていますが、グローバルで統一された体制なので、違う会社同士というよりは、同じ目線で率直に意見を出し合う一つのチームですね。フランクで密なコミュニケーションをとるよう心掛けています。
具体的には日々の連携や週次のミーティングなどはもちろん、一定レベルでの社内アセットやビジネスデータの共有をすることで可能な限りプランニングにおける壁をなくしています。
より日本の生活に溶け込むアプローチを目指す
──最後にUber Eatsのメディアプランニングの展望をお聞かせください。
今年大きくターゲットとコミュニケーションを変えたことで、メディアプランも初めてトライしたものが多いです。今年後半には次のコミュニケーションに入る予定なので、現在の結果を活かしてどのような改善をしていくかを考えていきたいですね。
また、インフルエンサーさんとの取り組みや、テレビ番組とのタイアップ、日本ならではのシーズナルなコミュニケーションを通して、日本の生活に溶け込みながらデリバリーが当たり前になるよう貢献したいと思います。
特に、「今夜私が頂くのは…」はグローバル共通のフォーマットでしたが、今回の「Uber Eatsで、いーんじゃない?」は日本独自のコミュニケーションです。より日本の文化や日常に合わせたコミュニケーションができる設計にしているので、様々なタッチポイントを活用していきたいです。