ほぼすべてのキャンペーンで動画・SNS・OOHを利用
──Uber Eatsは幅広いメディアをカバーしてキャンペーンを展開していますが、いつも、どのようなメディアを使用するのでしょうか?
基本的にどのキャンペーンでも15秒の動画を制作し、YouTubeやTwitterなどで広告配信しています。あわせて、バス停の広告や、デジタルサイネージにも出稿しています。テレビCM以外は大体実施していますね。テレビCMはデジタルに比べるとコスト面やターゲティングのハードルが少し高いので、第一想起をメインとしたブランド広告を軸に実施の判断をしています。
──様々なメディアを活用する場合、統合的に予算の分配を決めていく必要があるかと思います。何を指標に判断していますか?
認知と利用意向の促進を指標にしています。メディアごとにブランドリフト調査のスコアを見ながら、メディアエージェンシーさんと新しい媒体を入れるか、リーチマックスのためにどうするかなどを議論して組み立てています。調査が出てくるタイミングに合わせて、1年に数回、プランニングのタイミングが来るイメージです。
──現在、年間で何本くらいのキャンペーンが走っていますか?
数え方が難しいですが、まずは一番根幹であるブランドキャンペーン群があります。具体的には、認知・第一想起・利用意向促進を目的にしていますが、レストランのフードや、食品・雑貨のデリバリー利用シーンを訴求するものがメインです。それに加えて、今回は新規ユーザー向けのプロモーションも新たに単独でコミュニケーションしています。
これらとは別に、Uber Eatsに加盟してくださった大手外食チェーンさんと一緒に実施する協働マーケティングや、年頭に箱根駅伝の中でCMを実施したような日本の文化にフィットするものですとか、配達員さんのイメージ向上の取り組みもあります。加えて、Uber Oneなどの個別サービスや、レピュテーション向上のためのキャンペーンも実施しています。たとえば最近ですと、ヘルメット着用が努力義務になったことを踏まえ、配達員さんの着用を促すようなキャンペーンも展開しました。これらを複数のメンバーと外部のエージェンシーさんで回しています。
──ブランドコミュニケーションにおけるターゲットをファミリー層に変えたことで、プランニングに起きた変化はありますか?
まだ始まったばかりなので結果を見ながら今後を考える予定ですが、一番大きく変えたのは、テレビCMの枠です。小さいお子さんがいる家庭の約7割は夫婦がフルタイムワーカーというデータが出ています。今までCM枠を食事の時間帯で買っていましたが、朝の時間帯と夜の帰宅後の時間帯を多めにするようにしています。また、OOHのコンテンツもよりコンテクスチュアルにしていますね。
たとえば朝と夜の時間帯で、駅のサイネージのクリエイティブを変えて、帰宅の時間帯には残業終わりの方向けに「会議が終わらなくて料理ができない? Uber Eatsで、いーんじゃない?」と伝えています。また、ファミリー層が多く住んでいるイメージがあるエリアで、たとえば「武蔵小杉のみなさん、晩御飯決まりました?」といった呼びかけのクリエイティブにしています。これは初めての取り組みですね。
ターゲット変更によってデジタル媒体の配分を大きく変えてはいませんが、変更点もあります。今まではテレビCMをそのまま動画広告に流用していましたが、画面が小さくなる前提で、アップの絵を多くしたり、L字型のバナーを入れたり細かいチューニングをしています。