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生活者ニーズ起点で市場を捉える~購入者のリアルな口コミから捉えるプロテイン商品の競合環境~

 本稿では、プロテイン商品購入者のリアルな口コミから生活者ニーズを抽出し、ニーズ起点で捉えた競合しうる商品群とその背景を考察してみたいと思います。

コロナ禍を経て成長したプロテイン

 2020年以降の新型コロナウィルスの感染拡大により生活様式が様変わりした中で、様々な生活者ニーズが顕在化しました。感染防止のための基礎体力の強化や免疫予防力の向上、在宅時間を豊かに過ごすイエナカ需要が顕在化し、様々な市場が恩恵を受けました。

 プロテイン市場もその一つです。商品名に「プロテイン」と付く食品・飲料群をプロテイン市場として、インテージSCI(※1)データによる金額市場規模指数を見てみました。各社から即食タイプのプロテイン系飲料やバータイプ食品が発売された2019年に急拡大して以降、コロナ禍を経て成長が続いています(図表1)。

 次の見出しからは、プロテイン商品購入者の口コミを分析し、どのようなニーズで購入されているか探っていきます。

図表1:商品名に「プロテイン」と付く食品・飲料群の金銭市場規模指数
図表1:商品名に「プロテイン」と付く食品・飲料群の金銭市場規模指数

※1 インテージSCI(R):全国15歳~79歳の男女53,600人の消費者から、食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品の日々の買い物を継続的に収集している全国個人消費者パネル調査。

プロテイン商品にはどのようなニーズやシーンが紐づいているか

 分析には、買い物アプリ「CODE」の「買いログ 口コミデータ」(※2)を利用しました。購入者が購入商品をアプリ登録する際に入力されたデータです。主にどんな用途、どんなシーン、オケージョンで喫食や飲用するつもりかなど、購入に至った理由が書かれています。

 今回は、名称に「プロテイン」と付く商品やサービス購入者の口コミ(約4.5万件)について、共起ネットワーク分析(※3)を行い、購入理由の中にどのような生活者ニーズが含まれているかを分析しました。(図表2)

 その結果、「糖質制限」「栄養補給」「たんぱく質摂取」に対するニーズがあることが見えてきました。また「ダイエット時のおやつ」「運動前/運動中/運動後」「筋トレ」シーンでの喫食や飲用を想定して購入されていることがわかりました(“美味しい”、“甘い”など食品・飲料に関わる普遍的なニーズは分析対象外)。

図表2:名称に「プロテイン」が含まれる商品購入者の口コミ約4.5万件の共起ネットワーク分析
図表2:名称に「プロテイン」が含まれる商品購入者の口コミ約4.5万件の共起ネットワーク分析(クリック/タップで拡大)

※2 リサーチ・アンド・イノベーション CODE買いログ:リサーチ・アンド・イノベーション社提供の買い物アプリ「CODE」利用者が、購入品について記入している口コミ。MAU(月に1回以上利用しているユーザー数)約30万人の実購買に紐づくのべ口コミ数:約5,900万件、評価レビュー:約9,700万件を蓄積。

※3 共起ネットワーク分析:テキストマイニングの一種で、単語同士の関連性や出現パターンの類似性をふまえ、文章中の単語の繋がりを可視化したもの。これにより口コミデータ・アンケートの自由回答項目・新聞記事など大量の文書データ内における特徴を把握できます。出典:東京理科大学

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この記事の著者

田辺 浩之(タナベ ヒロユキ)

 2012年、インテージに入社。食品・飲料業界のお客様を中心に、主にパネル調査を活用したアナリスト業務に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/07/13 09:30 https://markezine.jp/article/detail/42714

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