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イベントレポート

資さんうどんとグッデイに学ぶ ファンを生み出すブランドコミュニケーション

 福岡県に本社を置く、うどんチェーン「資さんうどん」とホームセンター「グッデイ」。地域密着の経営で地元民に愛される2社は、ユーザーコミュニティとのつながりを最大限に活かした事業展開や、デジタルとリアルを掛け合わせたマーケティング戦略により事業を拡大してきた。本記事では、2023年7月18日、Fukuoka Growth Nextで開催されたコミュニティマーケティングを学ぶイベント「CMC Meet-up Fukuoka」をレポートする。

福岡で愛される地域密着型の二つのブランド

 福岡で生活をしていると頻繁に目にする二つの店舗、ホームセンター「グッデイ」とうどんチェーン「資さんうどん」。

 グッデイは、41店舗ある福岡県を中心に佐賀県、大分県、熊本県、山口県、Yahoo!店でで全64店舗。資さんうどんは九州各県と隣県山口県含め62店舗(8月に山口県・岡山県への新規出店、8月末には64店舗の予定)を構える。

 福岡は地方都市ではあるが、全国区、ローカル他社の飲食チェーンや小売業ブランドも進出しているため、特定の地域に集中的に出店させるいわゆるドミナント戦略の状況が創り出せているわけではない。それにも関わらず、この2社が同地域で地位を確立している背景には、地元の住民に向き合うことで積み重ねてきた信頼と実績、ブランドを愛するファン、地元コミュニティとのつながりを重視してきたことがある。では両社は顧客といかに向き合い、事業成長に活かしてきたのだろうか。

ブランド体験に一貫性を持たせて常連の顧客を醸成

 1976年創業の資さんうどんは、「北九州のソウルフード」として、かつての工場労働者を中心に地元の顧客の要望を聞きながら積極的にメニューを追加し続けてきた。

 資さんうどんを運営する資さんの社長を務める佐藤崇史は、「お客さまの『喜び』を起点に『進化』をし続けることを重要視している」と語る。たとえば現在も店頭に立つことで顧客の反応や声を直接確認し、耳を傾けているという。

株式会社資さん 代表取締役社長 佐藤 崇史氏

 そんな同社が特に注目しているのはいわゆる「常連の顧客」である。常連の顧客を惹きつけて継続的に来店してもらうために、ブランド体験としての一貫性を大切にしているのだ。

 「お客様にどこの店舗で、いつ来店いただいても、一貫して資さんうどんのこだわりの味を体験してもらうためには、2,500人を超える従業員一人ひとりに経営理念や資さんうどんが大切にしていることを理解してもらうことが重要になります。その上で、各従業員が同じ姿勢で仕事およびお客様に向き合うことや必要です。そのためには、従業員が資さんうどんの一番のファンや理解者になってもらうことが重要で、それが社内の一体感をさらに高め、ブランド体験としての一貫性につながります」(佐藤氏)

 常連の顧客を重要なターゲットに据える同社ではあるが、常連の顧客を一括りにはしていないという。毎日足を運んでいただくが特に情報発信はしない人、来店頻度は低くても口コミやSNSなどで積極的に拡散を行う人、その中間に位置して成長に貢献してくれる人など、一概に常連といっても様々なレイヤーの人が内包されており、向き合い方もそれぞれ異なる

 今後、「店舗での顧客接点に加えて、SNSやファンミーティングなど、ユーザーと直接対話する場を増やし、顧客理解をさらに深める動きを検討している」と佐藤氏は語る。

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この記事の著者

坂本 生民(サカモト イクミ)

株式会社ヌーラボ コミュニケーション部 部長外資系人材サービス日本法人の広報・マーケティング担当、日系自動車メーカーのグローバル広報での勤務を経て2021年10月にヌーラボに入社。ヌーラボおよびヌーラボサービスに関する広報活動、社内広報管轄。ヌーラボ入社と共に福岡に移住、2児の育児に奮闘中。青山学院...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/08/29 08:30 https://markezine.jp/article/detail/42974

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