CS領域のDX支援を担っているNICE
米国で1986年に創業し、今では150ヵ国以上で事業を展開、8,500人以上の従業員を擁するグローバル企業・NICE。その日本法人であるナイスジャパンのジオレット社長が説明会の開始を飾り、同社の歴史と現在の状況について紹介した。
「当初、NICEではコールセンターの通話録音サービスとアプリケーションを主に提供していました。しかし、2011年以降『Nexidia』をはじめとするデジタルソリューション企業を4社買収。2016年には『CCaaS(※1)』を加えました。これらのソリューションを統合し、現在ではコンタクトセンター/カスタマーセンターのDX支援プラットフォーム『CXone』などを提供しています」(ジオレット氏)
※1 「Contact center as a service」の略で、クラウドを活用したコンタクトセンター向けのソフトウェアソリューション
またNICEは今後、日本においてセールスを強化する考えだという。「日本は主要市場の一つであり、2024年までに従業員数を倍増させる予定だ。さらに、東京に加え、2023年中に大阪に新しいデータセンターを開設。アプリケーション基盤の構築とともに、販売拡大やパートナー戦略、組織強化に取り組むつもりだ」と、ジオレット氏は意気込んだ。
ポストコロナで「実店舗」への問い合わせが増加
そんな同社では、2021年から毎年、CXに関する独自の調査を行っている。調査の目的は、“問い合わせ”という消費行動の経年トレンドのほか、問い合わせプロセスやチャネルの変化、企業と消費者間のギャップを確認すること。2023年の調査は、消費者(n=250)と企業(n=250)を対象(※2)に実施した。
※2 消費者(n=1,830)と企業(n=3,526)に対しスクリーニング(事前)調査を実施後、消費者(n=250)と企業(n=250)に対し本調査を実施
その詳細な結果は、同社のソリューションコンサルタントディレクターの山崎氏が紹介した。山崎氏はまず、消費者からのコンタクトセンター/カスタマーセンターへの問い合わせ件数の増減に触れた。
調査ではまず、企業に対して、2023年の消費者からの問い合わせ件数の増減を調べたところ、最多回答は「変わらない」で、81.2%を占めた。また、消費者に対して、企業に問い合わせをする際に利用するチャネルの変化を尋ねたところ、こちらも最多回答は「変わらない」で70%だった。
次に消費者に対して、よく利用する問い合わせチャネルを選んでもらった。その結果、「Web問い合わせフォーム(82.8%)」が最多回答に。2番目以降に「WebサイトのQ&A閲覧(82.0%)」「電話/オペレーター(60.4%)」が続いた。
また、2022年の調査結果との比較で、最も割合が増えたのは「店頭・実店舗」で、増加割合は17.2ポイント。山崎氏は「コロナ禍の収束を背景に、消費者が直接店頭で問い合わせをするようになったのでは」とコメントした。また、最多回答となったWeb問い合わせフォームも前年から10ポイント以上、増加した。