Web3、DAO、NFTなど、テクノロジーの新潮流を整理
僕も、長く広告会社に勤めて、今も大学教員/研究者として広告コミュニケーションやマーケティングに関わり続けているので、当然のようにWeb3の基本の基本は、記事などに目を通す形で自分なりに理解はしているつもりです。
自分の理解で言えば、ウェブ1.0は文字ベースで一方通行のコミュニケーション。2005年頃から始まったウェブ2.0は、ユーザーが作成したコンテンツがメインの双方向的なもので、また画像や動画も飛躍的に向上した。で、次が、2020年代からのWeb3だと言えるでしょう。
自分の頭の中にあることだけでいったんWeb3を整理しておくと、ウェブ2.0がGAFAMと呼ばれる巨大プラットフォーム主体だったのに対して、DAO(分散型自律組織)と呼ばれる、中央集権的なプラットフォームに頼らないコミュニティによる活動が主体となり、そうした動きを可能にするのがNFT(非代替性トークン)などのブロックチェーン技術である、といったところです。このシリコンバレー滞在を通じて、思考の整理は深まるのか、期待しています。

話は少し逸れますが、僕はここ3年ほど国内移住者についても研究しています。東京でも活躍していた30代や40代が「東京は(中央集権的な大都市は)もうイイヤ!」と縁もゆかりもない地域に移住する“新型移住者”の増加が観察されていて、勝手にWeb3の動きに重ね合わせて眺めていたりもしました。
それでも、もう少し深く詳しく、実感を持って学んでみたい、と、武富さんに声をかけてもらった時に、考えました。僕はもう60代ですが、政府が言うところの“リスキリング”とも呼応するのか、自分に関係のある分野で、今起きていることを、実感を持って知りたい、学びたい、という欲求は強く持っています。
実は前にも一度、広告会社社員だった頃に、テクノロジーの新しい潮流を肌で感じて、業務に活かし、その会社の若手にも伝えようと、少し後輩の同僚達とシリコンバレーを訪れ、Google本社を訪問したりしたことがあります。
あれから15年あまり。Web3時代を迎えたシリコンバレーは、一体どんな風に変わっているのか、しっかりと見て、聞いて、実感して来たいと思います。