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MarkeZine Day 2025 Retail

ソーシャルリスニングから見るSDGs最前線

プチプラファッションを愛する若者心理から読み解く、SDGsアクションのヒントとは?

「安いから捨ててもいい」マインドを減らすにはどうしたら良い?

 ここまで進行プチプラEC通販を中心としたプチプラファッション利用者のソーシャルボイスを7つのインサイトをまとめてきた。これらのインサイトからSDGsアクションのヒントを次のようにまとめた。

・買い物には、商品情報よりユーザーのクチコミが重要

 クチコミからユーザー体験を改善するヒントを発見することで、ブランドファンを増加させられるかもしれない。

・「トレンドアイテムは、シェアor交換」を新常識に

 トレンドを個人で購入して追いかけるのではなく、趣向が近い人とシェア・交換することで、着られなくなる服を減らすための工夫につながらないだろうか。

・推しの記憶に残す固定アイテムで推し活ファッション

 推しに会うために服を買って、1度来たら捨ててしまうといった行動も。服の使い捨てが助長されている可能性が見られた。固定アイテムを大事に使うことで推しの記憶に残す「全力の1着ファッション」を生み出していくことはできないか。

・欲しい気持ちを吟味させる、寝かせカート

 ストレス任せにカートに入れても即日購入できない「寝かせカート」を用意することで、時間を置いて必要なものだけを買う習慣をつくることはできないだろうか。

・出品者の人となりが見えるフリマの拡大

 既存のフリマアプリでお出品者の「人となり」を見える化することでさらなる利用促進につなげられないか。

・安いからだけではなく、安くて信頼できるから買うへ

 ネガティブを隠して販売せず、工程を公開し適正な価格で販売することで、「安い」が促進する衝動的な買い物を減らせる可能性がある。安い場合も、安さの理由や企業・ブランドの透明性を高めることでユーザーからの信頼にもつなげられるのではないか。

・「思い出アイテム」のおさがり拡大

 恋人・家族・友人などとの思い出とともに商品が出品されることで、買う側も愛着がわき、長く循環するのではないだろうか。商品とともに思い出も循環される仕組みづくりが行えたら、捨てられる服も減る可能性がある。

ソーシャルボイスから、インサイトと打ち手を導き出す

 企業がSDGsの取り組みを行うことは当たり前になってきているが、一方的な発信や押し付けになってしまってはユーザーに行動を促すことはできない。やらなければいけないhave toではなく、ソーシャルボイスでユーザーの生声に寄り添うことで、ユーザーが自ら行いたくなるようなwant toのヒントを見つけることにつながるのだ。

 第2回ではプチプラファッションに着目しながらSDGsアクションのヒントを探ってきた。ソーシャルリスニングではアンケート調査では見ることのできない、生活者との接点をあらゆる面から見つけられるヒントが隠れている。

 身近な出来事がどうやったらSDGsアクションにつながるのか? アクションを阻害している因子だけでなく、アクションを加速させるポジティブ因子にも着目していくことで、want toに転換するインサイトを見つけていくことができる。また発見するだけで終わらせず、ソーシャルリスニングの結果からどのようにアクションにつなげるかも重要なポイントである。

 みなさんも、ソーシャルリスニングを活用しながら、個人・企業としてできるSDGsアクションを考える機会にしてみてほしい。

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この記事の著者

増田 実紗(マスダ ミサ)

 2020年よりTBWA HAKUHODOに所属し、ソーシャルボイスを起点とした戦略立案組織65dB TOKYOの立ち上げから参画。

 デジタルマーケティングにおける企画、運用、分析業務の知見・経験を活かし、行政との市民の声の調査・ゲーム領域・キャラクタービジネス・健康飲料・生活用品ブランド等多領域にわ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/43468

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