追加して成果が出た施策、勇気を出して止めてよかった施策
はじめに「足し算」とされる施策は、ウェルカムメールだ。初回購入を促すにあたっては、会員登録から60日以内のアクションが重要であること、コミュニケーションの周期は約7日間が適切であることがデータから判明。そこで、会員登録から複数回に分けて、メールでコミュニケーションを図ることにした。
これについて小暮氏は、「一定の期間にある程度の量のメールを送付するとなると、離脱の原因になってしまうのではという不安があった」とし、それでも挑戦した理由として「元々最初の60日が大事ということは理解していたが、ブレインパッドさんはそれを定量的にデータで示して下さった。購入のタイミングにも波があるということがデータでしっかりわかったので、やってみようと決めた」と述べた。
次に「引き算」で成果に繋がった事例は、定期配信していたメルマガだ。メルマガにおいては、「定期的に送らなければ」「全員に送らなければ」といった固定概念がある。だが、新しいKPIでメルマガ施策を検証したところ、必ずしも顧客との対話やコミュニケーションという点で良い効果をもたらしていないということが明らかになったという。
やめるというのは勇気のいる決断だが、「データで客観的に示されることで、思い切ってやめることができた」と話す。
「データというファクトを基にすることはとても大切だと実感しました。成果という観点だけでなく、お客さまがどう感じているのか、どういうニーズがあるのかなど、数字では語れないところを読み解くこともポイントだと思います」(小暮氏)
売上高は昨対比で約1.3倍に!考えられる成功の要因2つ
ブレインパッドの支援を受けながらCRMの見直しを行い、取り組みを開始してから、およそ半年が経過している。気になる成果はどうなっているのだろうか?
小暮氏は、「売上高は昨年対比で約1.3倍」と明かし、加えて「1つ1つのコミュニケーションの反応率も上がっていると感じる」と具体的な手応えも共有した。
小暮氏の分析によると、この成果の要因は大きく2つ。1つは、やはりKPI設計だ。「KPIを再設計したことで、目指すべきゴールをしっかり共有できた。これに向かって、チームでPDCAを回せるようになった」とする。
加えて、もう1つの成功要因は「チーム」だ。CRMなどをプロジェクトとして推進していく時、チームで成果を出せるかは非常に重要なポイントだ。しかし、自社内にスペシャリストを揃えることは難しい。だからこそ、社外の知見やスキルを柔軟に活用することが重要で、今回のエリクシールのCRM改善においては、データ分析に強いブレインパッドの存在が大きかったという。
「餅は餅屋と言われるように、顧客と商品の理解に強い我々と、データに強いブレインパッドさん、それぞれの強みを融合して強いチームを作ることができた点も成果の要因だと思っています」(小暮氏)
売上が成長傾向にあり、今勢いのあるエリクシール。小暮氏が率いるマーケティングチームが掲げている目標は今より高く、KGI(売上)目標も高く設定されている。この目標を達成すべく、今後は「デジタルで得られた知見をいかにリアルに融合させていくか」を考えているのだという。たとえば、データから得た情報をリテール向けの営業現場、商品開発などに役立てるようなことも考えているそうだ。
最後に小暮氏は「CRMの本質は、お客さまとどう対話をしていくのか。その積み重ねだと思います」と話し、経験や勘に基づくマーケターの感性を失うことなく、定量的なデータも組み合わせることで、マーケティングをより進化させていきたいと抱負を語った。
顧客定着とブランド成長を両立させるCRMへ
ブレインパッドのご支援は単なる“分析支援”ではなく様々なビジネスの場面で誰もが培った経験+データ分析から得られた示唆で“意思決定ができる仕組み”をつくることです。本記事で興味を持たれた方はブレインパッド公式サイトからお問い合わせください。