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MarkeZine Day 2025 Retail

「欲望(Desire)」で紐解く、消費者の今と未来

公正世界仮説と消費と欲望|日本人を“欲望”で分類した「10の欲望クラスター」で探る消費拡大の突破口

それでも目指したい「努力 未来 a beautiful star」

 しかし、同じ公正世界仮説でも、「悪いことをしたら報いを受ける」ではなく「頑張れば報われる」ほうに着目することも忘れたくありません。「したいこと・なりたい自分になることのために、頑張っているのだからいいじゃない!」という思いの心動く消費も、かなり見られるようになってきました。日本人の真ん中、控えめで言い訳ができるようにしてからでないと動かない「等身大に楽しむ善人」を中心に、「今まで頑張った(我慢した)からいいよね」という気持ちを後押しするものや体験が、人の心を動かし、前向きな気持ちにして、消費の好循環を生みそうな予兆は、今回調査でも見えてきました。

 米津玄師さんの2022年10月リリースの曲『Kick back』(TVアニメ「チェンソーマン」のオープニングテーマ曲)では「努力 未来 a beautiful star」というフレーズが繰り返されますが、これはつんくさん作詞作曲のモーニング娘。の2002年のヒット曲『そうだ!We‘re ALIVE』から正式に許諾を得て、引用されたものです。

 あれから20年以上も経っているのだ、と改めて感慨深い思いをしたのですが、「失われた10年」の中でも「努力 未来 a beautiful star」と思えていた頃があったこと。そこからさらに「失われた30年」が過ぎ、すっかり忘れてしまっていた「努力の先には希望がある」こと、「本当はそれをみんな望んでいるのだ」ということを今年前半に入って思い出させられました。

 努力が報われ未来がひらける、幸せになりたい、ラクして生きていたいを実感させてくれる、「こんなモノ・体験に出合えてラッキー」「あきらめないで頑張ってきてよかった」というような心の動きをもたらすマーケティングを機会としていけたら、と私たちDDDは考えています。

第5回 電通「心が動く消費調査」調査概要

・調査目的:変化し続ける社会環境により可視化されにくくなりつつある消費者意識を消費者の欲望視点から分析し、今後の日本の消費社会を読み解く
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:20~74歳
・サンプル数:3,000サンプル(20~70代の6区分、男女2区分の人口構成比に応じて割り付け。70代は70~74歳まで)
・調査手法:インターネット調査
・調査期間:パイロット調査:2021年5月18~21日
第1回調査 2021年9月3~6日
第2回調査 2021年12月16~19日
第3回調査 2022年5月12~15日
第4回調査 2022年年11月2~7日
第5回調査 2023年5月10~15日
・調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト

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この記事の著者

福井 常晶(フクイ ツネアキ)

リアドライブ合同会社 代表 ストラテジックプランナー 電通デザイアデザインメンバー

1990年電通入社、マーケティング局配属。依頼、マーケティング及びプロモーション関連の部署を歴任、自動車・家電・飲料などの主要クライアントのマーケティング・ブランディングのサポート及びキャンペーンプランニングを実施。2020年、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/03 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43619

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