MUB3,300万人以上を超える「ニコニコ動画」
ドワンゴは、動画・生放送投稿サイト「ニコニコ」を中心としたWebプラットフォームを運営している。ニコニコ動画は現在、MUB(Monthly Unique Browsers)は3,300万人以上、再生数は月間4億回を超える国内最大級のUGCプラットフォームだ。総務省の統計データと照らし合わせると、10~20代の3.5人に1人がニコニコのサービスを利用している計算となる。
会員属性は男性が約7割、女性が約3割で構成され、サブカルチャー(以下、サブカル)好きが集まっているのが大きな特徴だ。年代では、20~30代がボリュームゾーンだ。
ほかにも、「ニコニコ超会議」「池袋ハロウィンコスプレフェス」などのリアルイベントも開催。また教育事業のN高等学校など、様々な領域に事業を拡大している。
漫画やアニメなどのサブカルは、世界でも認知が広がるカルチャーになりつつあり、もはや「サブカルとメインカルチャーの垣根がなくなってきているのではないか」とドワンゴの大野氏は話す。こうした中、同社が注力しているのが、カルチャーと様々なビジネスを掛け合わせるマーケティングだ。
トレンドを作り出す『カルチャードリブンマーケティング』
現代は嗜好の多様化に加え、スマホやSNSの普及により生活者の行動も複雑化してきている。一方、企業の打ち手はコモディティー化してきている場合も少なくない。このような中で「尖った企画」を作り出し、生活者と新たな接点を持つためには、どのようにしたら良いのだろうか。
大野氏はその答えの1つとして、カルチャーを軸に様々なマーケティングを展開する「カルチャードリブンマーケティングがある」と語った。ネット黎明期からサブカルと向き合い続けたドワンゴは、カルチャーインサイトはもちろん、コンテンツも熟知している。だからこそ、彼らに刺さる尖った企画を立案し、コミュニティーを動かし、影響力のあるクリエイターやインフルエンサーの選定が可能だ。
加えて、長年培ってきたネットとリアルを融合させたマーケティングコミュニケーションもドワンゴの大きな強みだ。
また、「ニコニコ動画」を中心とした巨大なカルチャーコミュニティーを持っているため、ユーザーインサイトやベネフィットを精緻に把握してマーケティングを行う「カルチャーイン」な施策を打つことができるという。
「カルチャーによってルールやトンマナなどの『お作法』は異なります。我々には、どの業種とどのカルチャーを掛け合わせれば価値を最大化できるのかという『業種×カルチャーの可能性』のノウハウがあり、これまでにないマーケティングプロモーションを実現できるのです」(大野氏)