マーケティングツールを導入しても成果が出ない理由
デジタルマーケティングの強化に向けMAツールやCDPを導入したものの、効果が現れず、期待していたほど実績につながらない企業も少なくない。Appier Group(エイピアグループ)の木村近義氏は、デジタルマーケティングツールの成果が出にくい原因について次のように話す。
「たとえばMAツールに関しては、多機能で使いにくいといった悩みや、専門知識を持つ人材の不足、自動化戦略やキャンペーンの経験・知識不足に悩むケースが後を絶ちません。またMAツールで配信するための、継続的かつ質の高いコンテンツの作成が困難だったり、パーソナライズされたコンテンツができなかったりという課題や、ROI(費用対効果)の正確な計測ができない、顧客の行動に基づくセグメントやスコアリングのやり方がわからないことなどに悩んでいる企業が増えています」(木村氏)
これに対し、テクノロジー由来の課題が多いのがCDPだ。CDPは、1つの顧客IDにあらゆる情報を紐づけて360度で顧客理解を促進する仕組みだが、そもそも顧客データの一貫性を保持することは技術的に難しい。個人情報への配慮から過剰なトラッキングを阻止する目的でクッキーレスやITPに取り組むベンダが増えていることや、ユーザーが常時ログインしているとは限らないのでWeb行動を完全に補足しづらいためだ。
さらに、大量の顧客行動データから真に意味のあるインサイトを引き出したり、マーケティングに応用させたりするためには、高度な技術力と知識が必要になる。
「こうした専門知識の不足が、デジタルマーケティングの実行を阻害しています。しかしこれらの課題を解決するためAIを活用し、成果を上げている企業もあります」(木村氏)
AIで企業のマーケティングを支援するAppier
Appier GroupはAI研究者によって2012年に台湾で創業されたセールス・マーケティング領域のAIネイティブカンパニーだ。現在グローバルで17拠点を展開し、2022年12月には東京証券取引所グロース市場からプライム市場へ昇格するなど、国内でも注目度が高い。
同社は広告ソリューションの「CrossX(クロスエックス)」、広告運用自動化の「AIXPERT(アイエクスパート)」、AI×Web接客の「AiDeal(アイディール)」、MAツールの「AIQUA(アイコア)」、そしてAI顧客データプラットフォーム「AIRIS(アイリス)」など、多数のマーケティングソリューションを提供している。製品の特徴は、新規顧客の獲得からAI×Web接客、エンゲージメント、クロスチャネルのマーケティングオートメーション、ユーザーの分析・予測やCDP分野まで、フルファネルのソリューションのすべてに高精度なAIを搭載していることにある。
たとえば広告領域では新規顧客獲得のために、機械学習やディープラーニングテクノロジーを活用して、入札の最適化を行い、AIを活用した製品レコメンデーションやクリエイティブの最適化などの施策でROIの向上を実現。一度獲得した顧客のエンゲージメント向上には、ユーザー行動予測に基づくクーポンのオファーやユーザータギングなどでAIを活用し、より成果につながる施策の実行・分析を可能にしている。
こうした「デジタルマーケティング+AI」のツールを活用することで、これまでマーケティングに悩んできた企業の課題解決につながるという。