現場の理解を育むインナーマーケティング
──オン/オフを横断してCRM施策を進めるためには、社内での理解は必須だと思います。理解を得るために具体的に行ってきたことを教えてください。
当社では、全社的にインナーマーケティングに注力をしています。具体的には、現場社員が本社に集まり、会社が目指しているものや考えていることを共有する場があり、我々EコマースCRM部もそこに参加しています。直近行ったアプリの改善内容や、従業員一人ひとりの声掛けがもたらした貢献などを積極的に伝えております。
このように日本KFCの事業に関わる従業員全員が組織の一員としてお客さまのために何ができるかを自分たちで考えてもらうことを大切にしています。さらに現在では、現場従業員がお客さまと接するなかで気づいたことや想いを本社に共有するための投稿ボックスも置き、現場の声を積極的に拾い上げて施策に生かすようにしています。
この投稿ボックスはかなり活用されていて、投稿内容も前向きなものが多いです。投稿された生の声は積極的に反映しており、それを現場従業員も理解してくれています。投稿した内容が自分の働きやすさにもつながっていくことから、主体的に動いてくれています。
リアルタイムなデータ活用を目指す
──今後、貴社が推進するCRMの展望・展開をお聞かせください。
お客さまのスマホにはそれぞれ、沢山のアプリが入っています。そのため、我々としてはKFCのアプリに魅力を感じてもらい、削除されないようにする必要があると考えています。魅力あるロイヤルティプログラムやプッシュ通知などを活用し、顧客との適度なコミュニケーションを通じて、アプリの意義をより多くの方に感じてもらえるようにしたいと考えています。

また、プッシュ通知やメルマガは、回数が多すぎるとお客さまから拒否されてしまうと考えがちですが、データを見ているとお客さまによっては必ずしもそうでもないことがわかってきました。先入観にとらわれることなく、お客さまと日本KFCの気持ちの良い距離感がどこなのか注視して施策を行っていこうと考えています。
──特に注力したい領域はありますか?
リアルタイムなデータの活用を強化したいです。調理計画に活用して廃棄を削減したり、お客さまへのタイムリーなサービスを提供したりと、積極的に取り組んでいきたいですね。
アプリのユーザー数やオンラインオーダーでの注文数などは、まだまだ伸ばせる余地が大いにあると考えています。「KFCのオンラインサービスって良いよね」と感じてもらえる結果を出すため、今後もより価値のあるサービスを追求し、お客さまの手元に届けていきたいです。
