CRM成功の要は「適切なKPI設定」
次に2つ目の共通点は、結果と原因のデータを踏まえた上で「顧客起点でのLTV」へ考え方をシフトしているということ。そして、「顧客育成も踏まえたKPIの再構築を行っている」ということです。
勘と経験だけに頼ると、属人性が強まり、組織の持続性にリスクが生じます。正しいKPIを組織で持つということは、CRM活動の持続性を高め、これまでの経験を組織で活かしやすくし、さらには全社でCRMの目的・意義を明確化することにも繋がります。やはり、CRM 活動のファーストステップは「KPIの適切性」を見直すことと言えるでしょう。
CRM活動でまず目指すべきこと
適切なKPIを策定できたら、コミュニケーションを設計・計画し、実行・検証していきます。CRM活動では、アクションの前に必要になる設計・計画の部分の比重が大きくなるケースが多いです。具体的な目標を設定し、そこに到達するまでの道筋をシミュレーションする——成果を出すまでの道のりを考えると、ゴールはまだまだ先のように思えるのですが、CRM 活動ではまずここをクリアすることを目指しましょう。
道筋をシミュレーションしていく際、データや顧客インタビュー、アンケート結果を分析し、購買に至る要因や顧客の特徴、インサイトなどを捉えていくことになります。このとき、おすすめなのが「顧客は何を調べて、その結果なぜ購入したのか/購入しなかったのかを深掘りするWhat × Why」「どのような手段を試し、なぜ購入したか/購入しなかったのかを深掘りするHow × Why」の分析思考を持つことです。
重要なのは「Why」のほうで、結果を説明できる情報を捉えることを念頭に分析を進めていきます。すると、冒頭で述べた「なぜ買ったのか? なぜ買わなかったのか?」の部分の理解も深まっていきます。