DE&Iに必要なのは「違う」と言える空気・環境
MZ:お2人のお話を聞いて、企業がマーケティングにDE&Iを取り入れていくには、外向けのコミュニケーションよりも社内の人材がDE&Iを理解することが大前提に必要だと感じました。その他にDE&Iをマーケティングに取り入れるために必要なことはありますか。
シーチャウ:様々な人の意見を聞くことが大事ですね。サニーサイドアップグループは東京都が主催する「令和5年度東京都女性活躍推進大賞」の事業者部門にて「大賞」を受賞しました。働くメンバーの60%以上が女性の当グループでは、女性管理職比率は44,7%(リーダー職を含む)、女性取締役比率は50%と日本企業の平均を大きく上回っています。
それでも、まだまだ女性管理職の割合は改善の余地があると思っていて、現在は、毎朝1時間様々な女性メンバーの意見を聞く時間を取っています。出産や結婚などをイメージしたときに、今後ハードルになりそうな部分や現在抱えている不安などを聞くことで、女性が管理職になっても気持ちよく働ける環境作りのヒントを得ているんです。
具体的な改善策はこれからですが、意見を聞いたことで「会社が何か変えてくれると感じた」と感謝されるなど、多くのメンバーにDE&Iの大切さが伝わっているのを感じています。
松田:シーチャウさんのように、企業のトップがDE&Iに対して本気で向き合う姿勢が大事だと思うんですよね。社会的なポーズで外向けにDE&Iに取り組んでいるアピールをしてもダメで、トップがDE&Iの必要性を信じて、やり切る気概があれば、社内全体にも自然と広がっていくんじゃないかと思います。

DE&Iを地方にも広げていく
MZ:DE&Iに積極的に取り組む両社から、最後に今後の展望をうかがいたいと思います。松田さんはいかがですか。
松田:今後は地方にDE&Iのチャンスが眠っていると思っています。地方ではまだまだ男性優位の考え方が残っているなど、DE&Iに関する理解や取り組みが遅れているのが現状です。啓発活動はもちろん、サニーサイドアップさんとも協働したPRでDE&Iを浸透させたいと思っています。
ヘラルボニーでは、全国各地の153名の作家さんと契約しています。アートを切り口にしながら、全国のDE&Iの課題解決や啓発につながる取り組みを企画できると嬉しいです。
シーチャウ:サニーサイドアップに入社したのは、お金や地位よりも社会や企業に貢献したい想いを持つメンバーが集まっていて、そこに共感したからです。DE&Iに取り組むのも、DE&Iに配慮した環境がビジネスにも組織にもメリットがあるということを本気で伝えたいと思っているからです。
今後もDE&Iに対する想いを持つヘラルボニーさんと一緒に取り組みをしたいです。
