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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】人と組織を強くするマーケターのリスキリング

専門知識だけでなく、幅広い領域の知見を持つ人材に。電通デジタルの人材育成方針

 テクノロジーが急速に進化する中、活躍するマーケターに求められることは何か。そして組織は社員一人ひとりの力を強めるためにどうしていけばよいのか。電通は今年1月マーケティングの在り方をあらためて捉え直し、体系化した次世代モデル「Marketing for Growth」を発表した。その実現を担う人材をいかに育成していくのか、電通デジタル執行役員の大村雄志郎氏に聞いた。

※本記事は、2024年3月刊行の『MarkeZine』(雑誌)99号に掲載したものです

専門領域で閉じない、統合力のある人材を

──オンオフ統合といった従来からの変化に合わせ、AIの台頭など様々な変化が起きています。電通デジタルはこのような変化をどのように受け止め、対応されているか教えてください。

 テクノロジーの進化によりデジタル化が進み、スピードが求められる中で、効率化は進んでいるものの、生活者理解を深めOne to Oneコミュニケーションを真に実現するための余地はまだ十分にあると感じています。

 人を理解するものとしてデータがありますが、データは多種多様です。場面や扱う部門によって捉え方が異なることもあり、顧客の行動・嗜好を正確に、解像度高く理解することは容易ではありません。現代のマーケティング課題の多くが、この「データ」と「アナリティクス」「プランニング」「顧客体験」「効果検証」などの分断によって生まれており、分断によって顧客体験がより良くなる機会も失われていると考えられます。

 このような中、2024年1月、電通は事業グロースのための次世代マーケティングモデル「Marketing for Growth」の構築を発表しました。このモデルでは分断解決のため、各種データをシームレスにつなぐ「Data Infrastructure」と、そこから専門コンサルタントが新たなインサイトやビジネスチャンスを発見し、一貫性ある戦略や実行のストーリーを構築していく「Marketing Consulting」の2つの要素を基盤とし相互連携することで、マーケティング活動全体を活性化させることを目指します。

 このように、データクリーンルームやAIなど新たな技術を活用し、より深さを追求していくことが業界全体の今後の課題だと捉えています。

株式会社 電通デジタル 執行役員 大村 雄志郎(おおむら・ゆうしろう) 氏 1994年電通入社。25年の営業生活を経て、2019年トランスフォーメーションプロデュース局にてHRMディレクターとして組織と人事の運営に携わる。2022年より電通デジタルの経営基盤領域コーポレート部門を担当。
株式会社 電通デジタル 執行役員 大村 雄志郎(おおむら・ゆうしろう) 氏
1994年電通入社。25年の営業生活を経て、2019年トランスフォーメーションプロデュース局にてHRMディレクターとして組織と人事の運営に携わる。2022年より電通デジタルの経営基盤領域コーポレート部門を担当。

 AI領域に関しては、昨年電通デジタルに電通グループでAI開発をリードしてきたデータアーティスト社がジョインし、「データ&AI部門」が新設されたことで、活用が着実に進んできていると実感しています。

──変化に対応するために電通デジタルは具体的にどのような組織形成を進めているのでしょうか?

 「人の心を動かし、価値を創造し、世界のあり方を変える。」というパーパスの具現化を目指す体制になっています。また、変化の中でも価値を創造し、成長していくという今回の雑誌のテーマにも通じる特徴として、自分の専門外の領域のことも考えられる人材を育成する組織へ向かっている点が挙げられます。

 具体的に説明すると、電通デジタルにはMC(マーケティングコミュニケーション)領域とCR(クリエイティブ)領域、TF(トランスフォーメーション)領域、TX(テクノロジートランスフォーメーション)領域があり、これらはもともと4つの領域として分かれていました。これをMC領域とCR領域の「成長伴走カテゴリー」、TF領域とTX領域の「変革支援カテゴリー」という2つの戦略的カテゴリーにまとめました。同じカテゴリーに属する2つの領域は互いに連携し、シナジーを生み出す関係となっているのが特徴です。

電通デジタルの組織体制
電通デジタルの組織体制

 そして、最終的には「成長伴走カテゴリー」と「変革支援カテゴリー」の両領域の知識を持った全方位での人材育成を目指していきたいと考えています。自分の専門領域だけでなく、幅広い領域の知見を身に付けていくことが大切なのです。

 マーケティングが多様化する中で、顧客企業から自分の専門外のことを質問される機会が多くなってくると予想しています。顧客企業の方から、自分の担当以外の領域についてご質問を受けるときにも、広い知見を持っていれば、しっかりとご質問にお答えでき様々なニーズに応えられるようになるでしょう。そうすればパートナーとしての期待もより大きくなっていくと思います。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/04/03 15:42 https://markezine.jp/article/detail/45174

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