90周年を機にパーパスを具体化する
――今、多くの企業で人手不足が顕在化しています。マーケティング組織での人材育成の強化などで中長期的に取り組まれていることがあれば教えてください。
現在、日本では労働人口も減っており、当社としても一人ひとりの能力を底上げする必要があると考えています。そこで鍵になるのが、自分たちのコアスキルの把握と、その伝承です。その2つを鍛えるために、マーケティング本部では、3年前からプロのマーケターを育成するトレーニングチームを結成し、新たな研修プログラムを導入しました。このプログラムには様々な企業と一緒に行うワークショップなども含まれ、新たな知識とスキルを身に付けられるようにしています。コロナ禍で一度薄れた他業界、他業種とのつながりを復活させ、知見を共有する試みでもありました。これらの研修は、非常に大きな刺激になっています。特にアイデアを形にするまでが速くなりました。これは、研修を通して日産のビジョンを改めて言語化したことで、皆が同じ方向を向くことができ、迷うことなく実行に結び付けられているからだと考えています。
また、人材育成とともに労働力向上のために注力すべきこととして、現在検討しているのがAI活用です。AIの活用で作業時間を短縮することで、付加価値領域に時間を費やすことができます。人手が足りないからこそ、今後は、効率を上げる工夫も必要になると考えています。
――最後に、現在掲げられている目標や今後の展望について聞かせてください。
日産は2023年で創立から90周年を迎えました。この先10年の過ごし方は非常に重要であり、改めて取り組むべきは「技術の日産が、人生を面白くする。」という言葉の具体化です。
これまで、多くのお客様に日産の技術を認めていただいたおかげで、当社の電気自動車が日本の国内シェアの約6割を獲得できています。ただ、依然やるべきことは山積みだと考えています。そもそも、日本の電気自動車の普及率は現在、3%にも届いていません。普及率を上げるだけでなく、それらを支える技術への正しい理解も浸透させる必要があります。
私たちは、電気自動車で皆様の可能性を広げられると信じています。だからこそ、その普及を通じてこの先10年の日本をより良い社会へと変革していきたい。日々の生活の中で皆様が「楽しい」と感じる機会が増える、そんな社会を築いていきたいと考えています。車を起点にしながらそこにとどまらないチャレンジを続けていきたいです。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
            