アプリ会員を増やし、LTVの高い顧客を獲得する
──なぜ今、アプリの会員獲得に力を入れているのでしょうか。
髙橋:大きくはLTVの観点です。Webサイトでは一度購入していただいても、2回目、3回目の購入へとつなげづらいところがあります。しかし一度アプリをダウンロードしていただければワンタップで立ち上がりますので、ブランド想起や次の購入につながりやすくなります。もう一つは、スマホは生活者が普段触れるデバイスであることです。購入の約95%がスマホ経由ということからも、いかにアプリをダウンロードしていただけるかを重視しています。
名嶋:会員証機能があることもあり、アプリをダウンロードしたお客様はリアル店舗、ECどちらも使ってくださる方が多く、その点もLTVが高くなる理由の一つです。
そのためアプリへの訪問を習慣化していただくことが大事だと考え、アプリを開くだけで毎日1ポイントもらえる「check-in ポイント」を3年以上前から継続しています。このサービスを導入してから、MAUが一気に上がりました。
──各ブランドの世界観を重視して、別々のアプリやECにしようという話にはならなかったのでしょうか。
髙橋:そういった話は出ました。しかし、開発予算がブランドごとに分散して小さくなり、予算の都合から中途半端なものになったり、やりたいことを実現しきれなくなったりするというデメリットがあります。1つに集約して予算をまとめることで、大きな変化をもたらす取り組みができるのではないか。その方が各ブランドにとっても良い効果をもたらすのではないかと考えました。
さらなるアプリ成長を目指し、課題解決を行う
──アプリの成長をより加速させるために、どのような取り組みを行ったのでしょうか。
名嶋:パルとプレイドさんのお付き合いは長く、2016年ごろより利用しています。初めはWeb、次第にアプリやその他の顧客接点でも活用が広がりました。そこから売上の増加やアプリの成長にしたがって、今までより解像度の高い顧客理解が必要になってきました。チームからも「アプリのお客様って、どんな人でどんな行動をしている?店舗メインのお客様とどう違うんだっけ?」といった疑問が出てきた形です。
髙橋:加えてデータはあるのに、「アプリユーザーの行動特性」といった俯瞰した分析ができていない課題がありました。解決策を模索する中、KARTEだとWebとアプリを横断して、1ユーザーの行動データを確認できる特徴があることを知りました。今後さらにアプリを強化するには、意味ある顧客群を捉えて行動パターンを知り分析していくことが必要だと考え、2023年にプレイドさんにご相談しました。
中野:KARTEはポップアップを出したりレコメンドを表示したりとコンバージョンを上げるのが得意なツールだと思われている面があるかと思います。しかし、そうした適切なコミュニケーションで売上向上を実現するためには、クライアント企業の顧客の膨大な行動データを適切に計測・蓄積していることが大前提になります。
中野:だからこそ、データを弊社のプロフェッショナルサービス「PLAID ALPHA」で分析することで、様々な示唆を取り出せるのではとご提案しました。まずは売上が向上していたアプリの分析から取り掛かりましょうということになりました。
名嶋:KARTEでは顧客行動のデータが細かく取れます。それらを分析することで得られる示唆があるのではないかと、大きな期待がありました。
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