SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

生活者データバンク

デジタルメディアとシニア層~メディアログが明かす現在(いま)~

高年齢層がデジタル上で頼りにしている存在とは?

 今度は意識の面から、高年齢層のデジタル利用を見てみましょう。

 下記図表は、i-SSPの調査協力モニターに対して1年に1回実施している「メディア利用に関する定点アンケート調査」にて聴取した「X(旧:Twitter)の利用目的」の回答結果(図表6)です。

図表6
図表6:X(旧:Twitter)利用理由(クリック・タップで拡大)
データソース: i-SSP メディアプロファイラー
調査対象:全国男女15-69歳(調査時 i-SSP 調査協力者)
調査手法:アンケート(インターネット調査)
調査期間:2023年5~6月
ベース:X(旧:Twitter)利用者
※日本の人口動態に合わせてウェイトバック済
※各年代上位の項目をハッチング

 X(旧:Twitter)は高年齢層の利用アプリでも上位にランクインしていましたが、その中で利用目的として高くなっているのは、他年代と同様に「知りたい・新しい情報を求めている」「時間つぶしとして使っている」という項目でした。

 一方で、高年齢層のうち50代のフォローしているアカウントの種類の回答(図表7)では、他の年代よりも「家族」や「ニュースサイトや各種情報サイトのアカウント」「企業・ブランド・店舗の公式アカウント」「街は地域、観光地、施設などの公式アカウント」「テレビ番組の公式アカウント」のフォローが高くなっています。

図表7
図表7:X(旧:Twitter)フォローアカウント(クリック・タップで拡大)
データソース: i-SSP メディアプロファイラー
調査対象:全国男女15-69歳(調査時 i-SSP 調査協力者)
調査手法:アンケート(インターネット調査)
調査期間:2023年5~6月
ベース:X(旧:Twitter)利用者
※日本の人口動態に合わせてウェイトバック済
※各年代トータルとの比較で高い値をハッチング

 SNSは暇つぶしで行いながらも、求めている情報には発言元がしっかりと「見える」ことが重要になっているといえるでしょう。

 また、高年齢層は同アンケート調査の「SNS上の広告・プロモーション接触・行動状況」の回答結果(図表8)においても、企業のアカウントから発信された投稿で情報を知り、キャンペーン参加等のアクションを起こしているという回答が同年代の回答の中で上位となっており、フォローしている企業アカウントから受けた情報を活用している様子がうかがえます。

図表8
図表8:X(旧:Twitter)プロモーションに対する反応(クリック・タップで拡大)
データソース: i-SSP メディアプロファイラー
調査対象:全国男女15-69歳(調査時 i-SSP 調査協力者)
調査手法:アンケート(インターネット調査)
調査期間:2023年5~6月
ベース:X(旧:Twitter)利用者
※日本の人口動態に合わせてウェイトバック済
※各年代トータルとの比較で高い値をハッチング

 昨今はインフルエンサーを通じて企業のメッセージや商品のメリットを伝えるようなSNSマーケティングの事例も多いですが、高年齢層においては企業アカウントからのダイレクトなコミュニケーションはむしろ効果的だと考えられます。

ネットに「ためになる情報」を求めている高年齢層

 続いて、同アンケート調査にてYouTubeの利用目的を探ってみましょう。

 高年齢層のYouTubeの利用理由として特徴的に高かったのが、「知りたい情報を探すため」でした(図表9)。

 ログデータに表れていた、ニュースコンテンツの視聴やGoogleなどの検索アプリの長時間利用といった実態と、ニーズが一致していました。一方で、10-40代では、「娯楽として楽しむため」や「暇つぶし」といった利用理由が高く、年代により利用理由に違いが見られます。

図表9
図表9:YouTube利用理由(クリック・タップで拡大)
データソース: i-SSP メディアプロファイラー
調査対象:全国男女15-69歳(調査時 i-SSP 調査協力者)
調査手法:アンケート(インターネット調査)
調査期間:2023年5~6月
ベース:普段動画サービスを利用している人
※日本の人口動態に合わせてウェイトバック済
※各年代トータルとの比較で高い値をハッチング

 また、YouTubeに対する態度や行動についての質問では、高年齢層で「ためになる」や「ここでしか得られない情報がある」といった回答が目立っていました。10-40代では、「楽しい気持ちになる」や「身近に感じる」といった回答が多く、接触コンテンツによる影響の違いが見られます(図表10)。

図表10
図表10:YouTubeに対する態度・行動(クリック・タップで拡大)
データソース: i-SSP メディアプロファイラー
調査対象:全国男女15-69歳(調査時 i-SSP 調査協力者)
調査手法:アンケート(インターネット調査)
調査期間:2023年5~6月
ベース:YouTube1週間以内利用者
※日本の人口動態に合わせてウェイトバック済
※各年代トータルとの比較で高い値をハッチング

 ログデータの傾向とも一致するように、高年齢層のYouTubeの利用に関しては、若年層が重視している娯楽的な面白味や癒しといった目的だけでなく、より生活に役に立つようなためになる情報や、自身が知りたい情報を探し求めていることが見えてきました。

 しかし、「信頼できる」という項目では、若年層ほど回答が多く、高年齢層に近づくにつれ値が低くなっています。

 逆に指摘をするならば、YouTubeにおいて、この「信頼性」という部分の印象を好転できれば、高年齢層は更にYouTubeを利用してくれる、とも言い換えできそうです。

 先ほどのSNSでのフォローアカウントと同じく、高年齢層はYouTubeチャンネルにおいてもANNやNHKといった知名度がある企業の動画に多くリーチをしていることから、出自の担保・情報の安全性に注目していることがうかがえます。

 その意味でも高年齢層の「YouTube×ニュースコンテンツ」は広告の出稿先としての価値や可能性を感じます。

次のページ
デジタルメディアに高年齢層が求めるものは?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
生活者データバンク連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

脇田 光(ワキタ ヒカル)

株式会社インテージ データマネジメント事業本部 リテールデータマネジメント部

 2016年大学卒業後出版社の営業を経験、その後ネットリサーチを主力とした調査会社で集計業務に従事し、2022年2月にインテージに入社。パネル調査「i-SSP(インテージシングルソースパネル)」でメディア操作ログのデータ管理を担当後、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/05/20 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45554

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング