【3.評価させる】自己採点させる
構成案をもとに記事を書き上げた後は、「自己評価」です。「原稿も生成AIに書かせたい」という声が聞こえてきそうですが、本稿ではその方法論には踏み込みません(よって、自力で書いてください!)。
完全無欠な記事を書いたと思っても、穴はあるものです。しかし、書いた本人はそれに気づけないので、ChatGPTに記事全文を採点してもらいます。便利なのが、Google検索セントラルにある「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」です。

これは作り手自身が、いわゆるE-E-A-T<Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、TrustもしくはTrustworthiness(信頼性)>などの観点から、「有益なコンテンツの条件を満たしているか」を評価するためのヘルプドキュメントです。これをまるっとコピー&ペーストしてChatGPTに与え、「これに則って私の記事を評価して」と命令します。
ただ、先ほど例にした「電動歯ブラシの選び方」のテーマでは記事を実際に書いていないため、評価できる実例がありません。代わりに、私が最近書いた「海外カンファレンスに参加! 準備から帰国までの完全ガイドをまとめてみた」で実験してみました。
海外出張の準備にまつわる要素をすべて盛り込んだ記事で、「海外出張 荷物」「海外出張 準備」のキーワードではGoogle検索1位を獲得し、Yahoo!ニュースにも掲載されました。

すでに検索1位だし、100点の評価に決まっていると思った私は「これ以上、追記も編集もやることはないだろう」と高をくくっていたのですが、ChatGPTからいくつも指摘を受けてしまうことに。
<出力結果>
1. 専門性と信頼性の証明
a. 情報の信頼性を高めるために、筆者の専門性や経験について説明が不足している
b. 例:筆者が参加したカンファレンスの種類や役割、業界の位置づけ
2. 情報の更新
a. ESTAやビザの情報、電子機器の規制などは変更される可能性がある
b. 記事に最終更新日を記載し、読者が最新の情報を確認できるようにする
3. 文化的感受性
a. 海外での行動マナーや文化的な違いに触れる場合、敬意を持った表現を使うように配慮すべき
4. 読者の多様性への配慮
a. すべての読者が同じニーズや関心を持っているわけではない
b. 初心者 vs 経験者、ビジネス vs 学術に対するアドバイスを追加する
5. セキュリティと健康
a. 緊急時の連絡先、健康保険の利用方法、安全な飲食物の選び方等、海外での安全対策や健康管理に関する情報が不足している
このうち1、2、4、5は「確かに」と納得できたのですが、予想外だったのが「3.海外での行動マナーや文化的な違いに触れる場合、敬意を持った表現を使う」という観点です。
幸い、記事に不敬な表現はなく、修正の必要はなかったのですが、無意識のうちに「自国>他国」の構図で物事を語ってしまう可能性はあるわけで、「さすがChatGPT……中立性の鬼だ」と感心しました。
このように、ChatGPTに採点させることで、コンテンツの質をGoodからGreatに引き上げられるヒントが見つかります。自分では気づけない切り口を与えてくれる相棒として、生成AIを皆さんのコンテンツマーケティングにご活用ください。