リテールメディアにおけるメーカーと小売の理想の関係性
そのおかげで1年目は、広告のあり方から商品検索広告のキーワード選定、商品を購入してくれる顧客像の解明に至るまで、研究・改善に取り組めました。こうして、当社のリテールメディアを攻略してもらったことで、2年目である2024年には賛同いただいたほとんどのメーカー企業様に広告媒体として価値を感じていただき、出稿してもらえています。

――リテールメディアをグロースさせていく上で意識している点を教えてください。
リテールメディアには、「広告主」と「媒体社」あるいは「代理店」に見られる上下関係ではなく、「パートナー」として並列の関係で取り組むことが何よりも重要だと考えています。なぜなら、メーカー企業様と小売企業ともに、向き合うべき相手はお客様であるためです。
一人のお客様をいかにそのブランドのファンにできるかを考える「共創」の思想こそが、メーカー企業様側とリテールメディア双方の利益と、お客様の「商品体験機会」を増やすことにつながります。そういった“三方良し”の視点こそが、リテールメディアの今後の発展を考える上で非常に重要になると考えています。
リテールメディア事業をグロースさせるための三つの指標
――リテールメディア事業をグロースするために定めているKPIを教えてください。
主に三つの数値を指標としています。一つ目がパートナー企業様の数(取引社数)です。パートナー企業数の拡大により、様々なデータやノウハウが蓄積されサービスのブラッシュアップにもつながります。
二つ目が、一度パートナーとして取り組んだ企業様の離脱率、いわゆる「チャーンレート」も意識して見ています。
三つ目が広告効果です。広告を出稿いただくことは投資していただくことと同じです。その費用対効果に見合った価値を提供できているか意識して見るようにしています。
これらの三つの指標の伸びが合わされば、事業全体も自然とグロースしていくと思います。
――最後に、Green Beansを通じて実現したいことをお聞かせください。
リテールメディアは、世間から「小売業界の新たな付帯収入の手法」と思われている節があるようです。しかし、私たちは、リテールメディアは、お客様にとってのより良いお買い物体験を実現するための手段だと考えています。
お客様に対して適切な場面で最良の商品を紹介することで商品体験機会を最大化し、メーカー企業様とともに顧客を共創していく。これを実現する手段こそがリテールメディアです。
より良いお買い物体験の実現に向け、Green Beansでは「買い物を変える。毎日を変える。」というスローガンを掲げています。お客様の毎日を変えるということであれば、ECであっても生活にフィットする品揃えを実現することはやはり重要です。ECで肉も魚も買える、新鮮な野菜も買える、普段使いの卵、牛乳、パンなども買えるとなれば、お客様が買い物や家事に費やす時間を節約できるようになる。楽しい時間が増え、暮らしが変わっていく。そんな未来を実現するお手伝いができたら嬉しいですね。