ブランドコミュニケーションを主軸に、キャンペーン施策でも積極活用
MZ:現在実施しているテレビCMやコネクテッドTVの広告施策について教えてください。
阿部:2024年4月下旬に新しいブランドコミュニケーションをローンチしました。中尾明慶さん・仲里依紗さんご夫婦出演のCM、「やっぱりUber Eatsで、いーんじゃない?」です。ブランドコミュニケーションのCMは通年で実施していくことに加え、毎月さまざまなキャンペーンも実施しています。キャンペーン告知をテレビCMやコネクテッドTV広告で実施するかは、その時々の予算次第となりますね。
MZ:直近ではNetflixのドラマ、『シティーハンター』とのコラボも話題となりました。
阿部:そうですね。ゴールデンウイーク中に最大30%オフとなるキャンペーンを、『シティーハンター』とコラボして告知させてもらいました。こちらはテレビCMやコネクテッドTV広告も活用したキャンペーン施策でしたね。
MZ:ドラマ制作時からNetflixと相談を進めていたものなのでしょうか?
阿部:以前からNetflixさんとは相性が良いと思っていたので、いつかコラボができたらと話していましたが、たまたま弊社のキャンペーンロンチと先方の新作公開のタイミングが同じ時期になりそうだったため結果的にこのような形をとることができました。このようなコラボだけでなく通常のキャンペーンについても、テレビやコネクテッドTVを使って定期的に打ち出していきたいと考えています。
利用意向度を中心に複数KPIでテレビCM効果をウォッチ
MZ:デジタル媒体と比べて投資対効果が見えにくいと言われるテレビCMですが、Uber Eatsではどのような指標をKPIとして設定しているのでしょうか。
阿部:テレビCMにはリーチの観点を期待しているため、アクチュアル(買い付けた視聴率に対する、実際に放映された視聴率)はトラッキングしています。ただ、弊社マーケティングチームの目的が獲得ではなく利用意向度の促進であるため、テレビCMのボリュームと利用意向との相関も長期的な指標として注視していますね。また、新規顧客数もウォッチしていますが、新規顧客が増えないからといってテレビCMをやめるというわけではありません。幅広いKPIで見て総合的に考えるようにしています。
MZ:利用意向度の調査はどのくらいの頻度でおこなわれているのでしょうか。
阿部:年間で数回定期的に調査しています。ありがたいことにUber Eatsの認知度は90%以上ありますが、その高い認知度に対して利用意向度のスコアはまだまだ伸びしろがあると考えています。
MZ:ちなみに、昨今ではテレビCMの効果を可視化できるデータソリューションも続々と登場していますが、Uber Eatsでは活用されていますか?
阿部:弊社の戦略立案においては第三者機関を通してできる分析は限られており、これから取り組むエリアかと思っています。テレビCMは長期的視点で投資しており、どのくらいのGRP(CMの延べ視聴率)だったからどのくらい売れたといった考え方ではないことが、方針に大きく影響しているかもしれません。