グローバル2,000人超に調査、BtoBマーケティングの最新動向
MarkeZine:概況を伺ったところで、今日はカンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルで発表されたレポート「2024 B2B Marketing Benchmark」について、詳しくお聞きしたいと思っていました。本レポートの内容を踏まえて、BtoBマーケティングのグローバルトレンドを解説いただけますか。
Matt:「2024 B2B Marketing Benchmark」では、様々なファインディングスがありました。その中から厳選して、5つのポイントをご紹介したいと思います。
トレンド1:ブランドへの投資増加
Matt:注目すべきトレンドの1つ目は、「ブランドの重要性の高まり」です。「2024 B2B Marketing Benchmark」は、グローバル2,000人超のBtoBマーケティングリーダーを対象にした調査結果をまとめたものですが、回答者のうちおよそ70%の方が「今後ブランディングの予算を増やす予定だ」と回答していました。より中長期的な成長を目指して、ブランド戦略を重視していく流れと言えます。
トレンド2:クリエイティブ重視
Matt:関連して、広告施策でも、クリエイティビティをより重視する傾向が強まっていることがわかりました。BtoBマーケティングでは、どうしても「合理性」「効率性」が優先されがちですよね。クリエイティブもプロダクトにフォーカスした簡素なものになりがちだと認識しています。ですが、動画やインフォグラフィックを活用して視覚効果を狙ったり、ソートリーダーに出演してもらったりと、クリエイティビティをより大切にする傾向が見られます。
トレンド3:デジタルチャネルの活用
Matt:続いて3つ目は、「デジタルチャネルの活用」です。これに関しては、新たなトレンドというよりは、「引き続き・さらに強化していこう」という温度感ですね。
中でも注目すべきは、マーケターが現在活用しているマーケティングチャネルのトップがソーシャルメディアだったことです。エンゲージメントがより深く、濃くなること、そしてROIも高く出ることが、ソーシャルメディア活用の理由として挙げられました。ちなみに、活用度合が高いマーケティングチャネル上位5つのうち、唯一オンラインでなかったのは「イベント」でした。
トレンド4:メジャメント(効果測定)の重視
Matt:4つ目は、忘れてはならない「メジャメントの重視」です。メジャメントは、LinkedIn も重きを置いています。ここでいうメジャメントとは、クリック数や「いいね!」の数、コメント数だけを指しているのではありません。そのマーケティング施策により、どのくらい売上増に繋がったかというところまで可視化する必要があります。
トレンド5:生成AIの活用
Matt:最後5つ目のトレンドは、この1~2年で一気に重要性が増している「生成AIの活用」です。BtoBマーケティングの世界でも、生成AIは無視できない存在になっています。
「2024 B2B Marketing Benchmark」によると、3人に2人のBtoBマーケターが既に生成AIを自身の仕事で使っていると回答していました。実は、5年前はこれが5人に1人だったんですよ。かなり急激に増幅していることがわかりますよね。