ターゲットの課題に即した訴求内容の例
ターゲットにマッチした訴求内容と表現とは、具体的にどのようなものか? 村野氏は自社で開催した「資料請求のコンバージョン改善ウェビナー」の集客メールを例に挙げる。
本セミナーのターゲット「資料請求のコンバージョン率を改善するためのアイデアが枯渇しているマーケティング担当者」に刺さる訴求内容は次のうちどれか。村野氏は再びクイズ形式で参加者に問いかける。
A:資料請求CVを改善するベストプラクティス
B:資料請求CVを改善する55のアイデア
正解はBだ。シャノンの過去の実績によると、Bはクリック率もコンバージョン率も高い、つまりベストセラー型の訴求内容だったという。村野氏は「ターゲットが抱える『アイデアの枯渇』という課題に、Bの訴求内容が即している」と考察する。
では「資料請求CVを改善する55のアイデア」の前に、アイキャッチとなる表現を追加するなら、次のAとBのどちらがベストセラー型と言えるだろう。
A:8月に取り組みたい!(季節性を打ち出す)
B:【昨年比3.3倍も】(冒頭に印象的な数字)
こちらも正解はBだ。村野氏は「Bのほうがターゲットの課題解決につながる表現になっている」と理由を述べる。
「Aのように、季節性を打ち出す表現自体がNGなわけではありません。ターゲットの課題や状況が季節性に関係する場合は、Aのほうが好ましい場合もあります」(村尾氏)
生成AI×MAで効果的なメルマガ配信を
ターゲットの課題からメールの件名で訴求する内容を定め、訴求内容に即した表現を選び取ること対し、難易度が高いと感じる人も多いのではないか。そのような悩みに対し、村野氏は次のようにコメントする。
「これまでは頭と時間を使ってアイデアを一生懸命捻り出すしかありませんでしたが、最近はChatGPTやCopilotなどの生成AIを活用して、アイデア出しやパターンの量産を効率的に進めることができます」(村野氏)
シャノンでは、ターゲットの状況や課題、メールで誘導するLPの文章を入力すると、件名の訴求内容が出力されるプロンプトを用意している。また、量産がモノを言う表現についても、シャノンが自社の知見を基にまとめた「パターン集」があるそうだ。
効果的なメール配信を実現するためには、件名の工夫に加えてターゲティングも欠かせない。「件名の効果を最大化したい方には、シャノンが提供するマーケティングオートメーションツールを検討いただきたい」と村尾氏は話す。
最後に両名は「本日の内容が、日常的にメール配信を行うBtoBマーケティング担当者の皆様にとって、少しでも有益なものになれば幸いです」と語り、セッションを締めくくった。