企業名押しの落とし穴
他社との共催セミナーを実施する際、集客メールの件名に企業名を含めると、好反応を得られることが多い。シャノンが幻冬舎グループとセミナーを共催した際に、村野氏は次の2種で件名のA/Bテストを行ったそうだ。
A:出版社が解説『オウンドメディアがなかなか成功しない理由』
B:幻冬舎グループが解説『オウンドメディアがなかなか成功しない理由』
テストの結果、企業名を含んだBのほうが、クリック率が121%高かった。ただし「企業を含めさえすれば高い効果が期待できるわけではない」と村野氏。
「過去に、弊社の社名を含めた件名と、含めない件名でA/Bテストを実施したところ、含めない件名のほうが高いクリック率を示しました。知名度やブランド力のある企業名には、受け手の関心を引く効果があります」(村野氏)
メールの件名で人気が高いフォーマットと言えば「ランキング」だろう。ランキングとは、自社ブログの人気記事トップ3を訴求するような件名を指す。シャノンでもたびたびこのフォーマットを活用し、平均値よりも高いクリック率を出しているという。
村野氏は、ランキングのフォーマットを用いた件名でもA/Bテストを実施。次の2パターンでクリック率を検証した。
A:3位「マーケターとは」、2位「おすすめ資格」、そして1位は?上半期もっとも読まれたブログ記事をご紹介
B:2022年上半期にもっとも読まれた記事は?「シャノンのブログ」年間ランキングTOP3
テストの結果、ランキング1位を伏せたAの件名が高いクリック率を示したそうだ。
CTRもCVRも高い「ベストセラー型」の特徴
週に2、3回配信しているメールマガジンのほか、セグメントメールを届ける中で、効果的な件名に共通する特徴が掴めたという。特徴を紹介するために、村野氏は次の4象限マトリクスを紹介する。
クリック率もコンバージョン率も高い「ベストセラー型」の特徴を見ればわかるとおり、鍵となるのは「訴求」と「表現」だ。ターゲットの状況や課題から件名で訴求する内容を考え、その内容を文字数や語彙に考慮しながら表現する。この順番で件名を作成することを村野氏は薦める。