顧客獲得、収益化、継続利用の要「プロダクトアナリティクス」とは
どんなに優れたプロダクトも、リリースして終わりではない。むしろリリースしてからがスタートで、ユーザーの利用傾向やニーズに基づいた機能の改善・改修、ユーザビリティのブラッシュアップが欠かせない。ビジネススピードが上がり続ける現代においては「停滞=退化」であり、常に進化を続ける必要がある。
そこで指摘されているのが、プロダクトアナリティクスの重要性だ。
プロダクトアナリティクスとは、サービスや製品を成長させる目的で実施する分析のこと。事業を成長させるには顧客を獲得しなくてはならず、またその顧客から収益をあげるための購入フローを築かなくてはならない。そして、継続して利用してもらえるような施策も展開する必要がある。
この「獲得」「収益化」「継続利用」の3つの軸で、ユーザー行動全体を分析対象とするのがプロダクトアナリティクスの特徴である。
プロダクトアナリティクスは、元々GAFAのような巨大企業が自社プロダクトを短期間でグロースさせるための社内ツールから派生したもの。プロダクトアナリティクスツール「Amplitude」はその社内ツールを汎用化したもので、分析のベストプラクティスが詰め込まれている。
従来のアナリティクスとの違い
コンバージョンを上げようとデジタルマーケティング施策を展開するものの、成果やグロースにはなかなか結びつかない……これは、多くのマーケターが直面している課題だろう。国内最大級の不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」を展開するLIFULLも、2021年前後はそんな状況に陥っていたという。
そのような中、同社が取り組んだのが、プロダクトマネジメントに基づくプロダクトアナリティクスだ。LIFULLの大久保氏は、プロダクトアナリティクスと従来のアナリティクスの違いについて次のように語る。
「分析ツールは世の中に多数ありますが、当社は元々Google Analytics(GA)を使っていました。ただ、GAはアクセス解析に特化しているため、プロダクト内でのユーザーの行動を高い解像度で分析するには難しいところがあります。その点、Amplitudeはプロダクトアナリティクスに特化し、プロダクト内のユーザー行動を高い解像度で捉えることができます。プロダクト改善のアプローチは様々ですが、プロダクトアナリティクスは定量的な改善を強力に下支えしてくれると認識しています」(大久保氏)