注目が集まる事例マーケティングと、その課題
MZ:事例を活用したマーケティングとは具体的にどういったものでしょうか。
野崎(ロゴラボ):企業の事例を活用した「事例マーケティング」は、事例を通して企業の信頼を深めていくためのアプローチです。このアプローチは、昨今BtoB企業の間で重要視されてきています。
野崎(ロゴラボ):その背景としては、デジタルシフトによって意思決定スピードも速まる中、企業は導入するシステム・サービスの比較に時間をかけられません。一方でプロダクトのコモディティ化が進み、どのサービスが自社に必要かを選ぶこと自体は難しくなっています。したがって多くの企業は、テクニカルな内容や生成AIで作った品質の低いコンテンツではなく、真に質の高い実践的なコンテンツを求めています。
このような状況下で有効とされるのが先行事例です。多くの企業にとってプロダクトの疑似体験を提供する役割を果たしており、「導入効果」だけでなく、その取り組みの経緯や導入プロジェクトのストーリーなど、「コト」の代理体験をすることができます。
MZ:PLAN-Bでは、事例活用を進める上で課題はありましたか?
百々(PLAN-B):まず挙げられるのが、許諾管理の煩雑さです。
事例活用の大前提は、掲載させていただくお客様のブランドを守り、ブランドイメージを高めて貢献することです。そのためには、双方合意が取れた状態で正しく活用することが必須です。このことは企業としてのガバナンスにもかかわります。
したがって許諾管理については以前から取り組んできましたが、事例ロゴの管理が部門ごとに一元管理できていなかったほか、担当者がそれぞれで許諾を取っていたため、利用範囲や期間、内容など、どのような許諾の取り方をしていたのかを正確に把握しきれていませんでした。
したがって社内で各担当者に許諾の詳細を確認するのにかかる膨大な工数も課題でした。専用ツールがないため、人為的なミスや漏れが発生しないようスプレッドシートなどの汎用ツールを使って手動で管理していました。
これらの課題を解消するソリューションとして導入したのが「ロゴラボ」です。
企業間のブランドデータおよび許諾のやりとりを一元管理できる「ロゴラボ」
MZ:ロゴラボとは、どのようなサービスなのでしょうか。
野崎(ロゴラボ):ロゴラボは、企業間のブランドデータおよび許諾のやりとりを一元化するプラットフォームです。ロゴをはじめとしたブランドデータの最新版管理、企業間の承認ワークフロー、許諾情報の自動的なデータベース化などにより、業務効率化とコーポレートガバナンスの整備を同時に実現しています。また、AI活用により、自社に影響のある他社のレピュテーションの変化を検知するブランド与信チェック・モニタリング機能も搭載しています。
野崎(ロゴラボ):企業のブランドデータは、ブランドイメージの根幹であり、著作物でもあります。その取り扱いはミスがないよう慎重に行う必要があります。ロゴラボでは、許諾は取引先企業様自身でフォームに入力していただきます。すると入力されたデータは、自動的にデータベース化されます。したがって導入企業は、各企業がどの用途で事例を活用することを承諾したか、活用できる期間はどれくらいか、といった情報を一元管理できます。また契約状況や業種別・規模別などでフラグ分けすることもできます。
加えて、新たな機能も順次追加しています。たとえば、従来はWebサイトなどに掲載する導入企業ロゴ一覧の配置調整に多くの時間を要しましたが、ロゴラボは画面上でロゴを選択し、列数を指定するだけで、自動的にプレビューが生成されます。URLを取得してサイトに埋め込むことで、ロゴの入れ替えなどのメンテナンスが容易になります。
野崎(ロゴラボ):このロゴ一覧は複数作成できます。実際、資料請求フォームのそばに、来訪者が興味をひかれる導入実績としてのロゴ一覧があるとCVRが向上するという結果も出ています。ロゴラボを活用すれば、製造向け・消費財向け・SaaS向けなどそれぞれの業界向けLPに合わせた「ロゴ一覧」といった形で整理し、提供することが可能です。
このようにロゴラボを活用することで「取引先企業様のブランドを守り、ブランドイメージの向上」「自社のガバナンス強化」、そして取引先企業様と「ミスを防げる正確な情報管理」が行えます。