SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

2度も日本上陸を失敗した「おいしい不要品」スキットルズ 3度目に見えた勝機と異色の戦略とは

3度目の上陸、勝機はある? 「おいしい不要品」のマーケティング戦略

MZ:なぜ、2024年に3度目の日本上陸に挑むこととなったのでしょうか? このタイミングに勝機を見出した理由を教えてください。

村上:チューイングキャンディやグミの市場が大きく成長しているタイミングだからです。オーラルケアのためにガムやタブレットを食べていた大人が、コロナ禍あたりからリフレッシュ感や甘味を求めるようになり、トレンドが変化してきています。グミは数年前からブームとなっていますよね。そして、市場を押し上げているのは20代の購買者層です。まさにスキットルズが求めている市場とターゲットが重なるため、再ローンチする絶好のタイミングだと考えました。また、2024年はスキットルズが50周年を迎える節目の年であることも、後押しとなりましたね。

MZ:過去にはマーケティングやプロモーションの不足が失敗要因の1つとなっていました。今回はどのような戦略を考えているのでしょうか。

村上:今回は大々的にプロモーションやキャンペーンを実施しています。スキットルズ本来の「斜めから物事を見る」コミュニケーションを、日本人のインサイトに落とし込んで表現しているのは、従来になかった大きな変化ですね。タグラインは「おいしい不要品」。お菓子はおいしいけれど、栄養バランスに優れているわけでもなく、必需品ではないことを再認識してもらうメッセージとなっています。

“食べることをおすすめしない”異色のコミュニケーション

MZ:エッジの効いたタグラインで展開されている今回のプロモーションですが、具体的な実施施策についても教えてください。

村上:実施施策は4つあります。

 1つ目は、テレビ・WebでのCMです。一時的な熱狂のなかで行列に並んだり、人混みをかき分けたりしてスキットルズを手に入れるけれど、ふと我に返ると「なんでそこまでして買ったんだろう」と自分の行動が理解できないというストーリー構成になっています。「消費行動のあるある」を表現し、スキットルズは並んでまで買うような製品ではないことを伝えています。

スキットルズ CM「おいしい不要品 スキットルズ」篇(15秒)

村上:2つ目は、「応募できない応募キャンペーン」です。製品が無料で当たるキャンペーンは気軽に応募しがちですよね。本キャンペーンでは「本当に必要ですか?」と何度も問いかけたり、応募要項を読み込まないとわからない質問をしたりして、安易に応募しないよう、冷静な判断を仰ぐ異色のプレゼントキャンペーンとなっています。

「本当に必要ですか?スキットルズ 1年分プレゼントキャンペーン」サイトイメージ
「本当に必要ですか?スキットルズ 1年分プレゼントキャンペーン」サイトイメージ( クリックすると拡大します)

中村:3つ目は、トレインジャックです。東京メトロ5路線の車内広告にて、消費者やバイヤーから実際に寄せられた声の中から残念な声だけを掲載しました。「仕事の合間のリフレッシュに全然ならない」「どうぞ勝手に上陸してください」など、あえて辛口な意見を集めています。ブランドカラーである赤色を全面に使い、かなりインパクトのある広告となりました。

「スキットルズ」東京メトロ5路線ジャック 広告のビジュアルイメージ
「スキットルズ」東京メトロ5路線ジャック 広告のビジュアルイメージ

中村:4つ目は、ショート動画の配信です。「おいしい不要品への口撃」と題し、管理栄養士、元教師、歯科医師にスキットルズをお薦めしない理由を語っていただいています。肩書のある方の発言は信頼しやすいという心理を逆手にとって、皮肉的に表現しました

ショート動画「おいしい不要品への口撃」 歯科医篇(6秒)

「MarkeZineプレミアム」とは
溢れる情報の中から、今知るべき優良なマーケティング情報を厳選してお届けする会員サービスです。 Web有料記事が読み放題になるだけでなく、限定セミナー、ホワイトペーパー、雑誌(電子版)など複合的なサービスを通じて、 良質な情報をお届けいたします。個人でのご利用はもちろん、チーム利用向けのプランも複数ご用意しておりますので、 チームビルディングや人材育成にもご活用いただけます。

●全プレミアム記事がWebで読み放題
●限定イベントに無料で参加し放題
●限定ホワイトペーパーが読み放題
●雑誌『MarkeZine』が毎月届く。バックナンバー(電子版)も読み放題(チーム利用向けプランのみ)

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
SNSで大きな反響。売上効果も想像以上に

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/11/21 09:30 https://markezine.jp/article/detail/47322

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング